第28章 運動会
初恋だと知るのに、その想いを自覚するのにそう時間はかからなかった。
現実の料理が全て完成した直後、私の誕生日の日に告白された。
『自分の命や人生と同じぐらい!いや、それ以上に大事なんだ!!』と、真剣な面持ちで言ってくれた。
私の両肩を掴んで、真っ直ぐにその目を見て。
心からの言葉だと、否が応でも伝わってきた。
生命の碑の前、11月下旬の時に泣きじゃくっていた。
ケイトがアスナと出会う前の話です。
ケイト「また、だっ;また、止められなかった;;
自分のせいだ;自分のせいなんだああ;;」ぐすぐす
クレハ「しっかりなさい。
そうだとしても、忘れてはいけません!
あなたに救われた人に、止められた人に、私がいることを!
他にもたくさんの人がいます!!
あなたは、それだけの為にここにいるのですか?違うでしょう!!
あなたは、何がしたくてここに居るんですか!?
あなたがここにいる理由は、一体何の為ですか!?
答えなさい!!」
ケイト「ぅっ;」
クレハ「あなたがたとえなんだと言おうと、私はこの命尽きるまで共に居ます!!
是が非でも離れません!たとえあなたが嫌がったとしても!!
どうしても死のうと言うのなら、それほどに悲観するのなら私も自殺します!!!」
ケイト「なん、でっ;」
クレハ「第一、あなたは自分に出来ることを精一杯したでしょう?
あなたが係わったことによる落ち度ではありません。
そのお陰で一時とはいえ、その料理に安堵の息を漏らした。
それを忘れてはいけません。
たとえ最初があなたのわがままだとしても、そのお陰で一人の人間が救われたのですから。
無論…私もあなたに救われた人間の一人です。
だからこそ、私もあなたと同じように『救いたい』と思っているんですよ^^
だから…死にたいなんて、嘘でも言わないで下さいっ」涙
ケイト「うん…ありがとう…ありがとうっ;
そんなこと言ってくれる人、クレハが初めてだよっ;;」ぼろぼろ
昨日に会話を交えた人が自殺する。
そんな現実を受け止めきれず、ケイトは自分が死んだ方がよかったのだと泣きじゃくっていた。
そんなケイトにかけた私の言葉が、心からの支えになっていたなど
当時の私に走る由もありませんでした。