第28章 運動会
キリト「くっ。意外ときついな!」
アスナ「STR0だものね、ケイトちゃんとクレハさん!」
キリト「あいつのことだ、何か作戦でもあるんだろ!」
エギル「無駄口叩いてないで踏ん張れ!1mも動かせるな!!」
離れた後、青組は凄まじい踏ん張りを見せていました。
ですが白組の優勢状態が続いたことで、50秒=10ポイント×5=50ポイント加算が行われています。
そんな折、ようやく私とケイトは目的地に着きました。
ケイト『待たせたな!!』
青組の最後尾から白組方向へ、500m離れた場所です。
そこは傾きが38度と急な上り坂だった為、辿り着くまでに総合45秒も有してしまいました。
そう、スタジアムから客席へ上る為にある『坂道』の最終地点です。
それは無論、青組側の方にもあります。
リズベット「えっ、まさか!?」さあっ!←血の気が引いた人
クライン「げっ!;道塞げお前ら!!」←察した人
キリト「させるか!!
援護だ!!道を開けろおおお!!!」
青組邪魔要員『おう!!』
グレイク「道の方へ行け!!誘導するんだ!」
攻略課『おう!!』
その押し合いは激しさを増し、次々に参戦数は我先にと負けじと増えていきました。
クライン「おいコラSTR要員はまとめて今の内に引っ張れえええ!!」
エギル「お前らぁ!!根性みせろおおおお!!!!」
『おおおおおっ!!!!!』
最後の決戦とばかりに引っ張り合う中、競技開始から1分が経過した。
その瞬間、私とケイトは前に並んで走り出した。
身体が私よりも大きいケイトを先に走らせ、盾にして。
もし前後が逆ならば、空気抵抗によって速度差が出るはず。
しかしあえて逆にすることでそれを無にしつつ、
後ろから押し続けることにより、さらに勢いを相乗効果でより遥かに加速させていった。
その考えは功を奏したようで、走る場が急なことも相まって初速こそ秒速12.5m(時速45km)でしたが
その瞬間速度は秒速20m(時速72km)を超え、最終的に秒速35m(時速126km)にまで達しました。