第27章 休息
きっとケイトは…誰も護ってくれなかった。
だから余計、自分一人が傷付いて済むならその方がいいと自己完結してしまった。
そして周囲はそれを否定せず、理解しようともせずここまで来てしまったのでしょう。
その概念を覆さない限り、きっとまた何度でも繰り返す。
たとえそれで、悪夢に苛まれた時に自己が崩壊しそうになったとしても
過去との差にあの時間は何だったのかと嘆くことになるとしても…。
私が傍に居て、彼女を支えねば。
クレハ「ケイト」
ケイト「だったら…
なんだったんだよ、あれは;嫌だ;理解したくない;(頭押さえる)
違う;いない方がいいから;死んだ方がいいから喜んで笑ってたんだ;」ぐす
そう涙ながら頭を左手で押さえてから、両手で頭を庇うように押さえていた。
外敵から身を護る際にする行動に、その相手ではないと解らせる為に再び名を呼んだ。
優しくではなく強く、心から叫んで。
クレハ「ケイト!」
ケイト「ぐすっ;ひっ;ぅっ;?」
強く呼びかけた折になってようやく、顔をこちらへ向けてくれました。
後ろから抱き締めていたからか、振り返りながら…
その顔は涙でぼろぼろで、目も赤く泣き腫らしていた。
私はその両頬を両手で包み込むように挟み、覗き込んだ。
クレハ「大丈夫です。
もう、そんなになるまで誤魔化さないで下さい」
ケイト「でも…なら、あれはっ;」
そう言い聞かせると、動揺したようで呼吸が荒れ
とても苦しそうに咳き込んでいました。
クレハ「あれは、不幸な事故です。
両方共に悪い所があった。
あなた一人だけが悪いことはない。
あなたに悪い所があり、責任を求められる上に傷付けられ続けてきたように
彼等にも各々責任があり、同時に悪い所がある。
あなただけが傷付かなければいけないという要因にはなりません」
ケイト「でも、みんあっ;」
クレハ「ええ、あなたの知る限りでは皆がそうしていました。
でも、今あなたを慕う皆は…その皆と同じではなかったでしょう?」
似たような出来事は、生きている限り避けられない。
でも、全く同じ人はいない。
少なくとも、あなたを理解して慕う人達は特に…