第27章 休息
ケイト「私にとって…違う?
それってどういう?」
それに関してはどうやら要領を得ないようで、自分ではわかっていないようでした。
箸を持ったまま唖然とするケイトに、私は箸を置いて説明し始めました。
クレハ「攻略でも、たとえなんであっても…
それらの功績から、『あなたさえいれば大丈夫』と皆に思わせました。
それほどの圧倒的な実力、目を見張るような変化、突拍子もない奇策、
それらの献身的な取り組みのお陰で、私達は『全員』現実と相違ない生活を送れるようになった。
いつ復帰してもやっていけるよう、変わっていった。
その上、迷宮での死者数は今も現在進行形で0名を維持しています。
それらの実績があるが故か、自ずと私達もあなたを頼ってしまった。
たとえ意識していなくとも、無意識に。
その上、あなたはただでさえ頼られれば応えようと必死に尽力する性格です。
それらがそういった流れを加速してしまい、今回の事態を招いてしまった。
私も私で対策だけでなくイベント等の仕事で手一杯だった為、気付くのに後れを取ってしまった。
もっと早くに気付くべきでした。
頼まれればNoと言えない、その性格は仕方のないものとして…
その上でも自分の人生を歩む為には、自分を護る為に拒絶する意思が必要です。
自分の身体がきつい時、しんどい時は特に」
ケイト「でも…それで助けられないのは
クレハ「それで潰れて余計に手間を取らせることになってもですか?」
ケイト「うぐっ;」
クレハ「何も全てをやめろと言うわけではないのです。
できる範囲、限界というものが人にはあります。
それが前に言ったキャパというもので、それを超えた状態を意味してオーバー…
つまりキャパオーバーという言葉が生まれたのでしょう」口を拭く
ケイト「……」
その言葉に、ケイトは何も言い返さず…
何かしら思う所があるようで、俯いたままでいました。
それに私は、はっきりと伝えました。
今後、どうすべきかを…
どの点がダメで、どこを考えていけばいいのかを。