第26章 攻略再開
~おまけ・続~
・二人きりの時間
ケイト「何知った風なこと言ってんだ。
誰も味方がいなかった者の、何がわかるって言うんだよ。
その当時の気持ちも、恐怖も、哀しみも、辛さも
どれだけ言おうとしても、伝えようとしても、全て跳ね返されて拒絶され続ける苦しみが!
否定され続ける痛みが!
わかるとでも言うのか!!?」
今度は過去の悪夢を見たようで
起きた時から荒んでいて、彼女の心自体も荒れ切っていた。
話す前の時点で、既に…
落ち着いた時になってから、何度も謝られた。
でも…確かに、わかりようがないことだったから。
クレハ「すみません。私にはやはり…そういった経験が」
ケイト「いや、あるじゃん。学級崩壊の責任負わされたって奴。
どうせ周囲は誰も助けてくれなかったんだろ?」
クレハ「ええ。確かにそうですがあなたほど時期は長くありません」
ケイト「でも私にだって姉っていう理解者はいたよ」
クレハ「でも私と同じで10歳まででしょう?」
ケイト「うん;」ずううん
クレハ「それに、たまには爆発してぶつけることも大事ですよ。
あなたはただでさえ、人が傷付かないようにと自分を押さえ込みがちなんですから」
そう言いながら背を撫でると、彼女は心なしか…
意識を失ってから『初めて』、やっと笑ってくれた。
白い歯を見せ、破顔するその満面の笑みは
私と初めて会った時に見せていたような、とても楽しそうな笑みだった。
クレハ「ケイト…一緒に楽しみましょう。
そして、見つけていきましょう。
あなたに合った生き方を、あなたが幸福な人生を歩める道を、あなたならではの『歩き方』を。
それで迷惑をかけようが構いません、それで離れていくのなら相手にしなければいい。
死にたいほどきついのなら、昨日のように無理せず発してくれて構いません。
普段ならいつも、私達のことを想ってブレーキをかけてくれるのでしょうから」
ケイト「…うん。
もう、頑張らなくてもいいんだよね?
皆、大丈夫なのかな」
クレハ「大丈夫ですとも。
グレイクの政策がうまく軌道に乗りつつあるようです。
帰ってきた時に、自由な時間も手に入れられるように…」
ケイト「ん…ありがとう」
そう頭を撫でると安心したように少し笑ってから頷き、再び眠りにつきました。