第26章 攻略再開
ジャンピング傘のように開く、案山子。
56層フィールドボス戦にて
展開されたそれがあまりに複数で、ボスはおろおろとして混乱しながらも手近な案山子へ攻撃していった
その様はいきなり敵が増えたように錯乱しているようにも見えた。
手あたり次第に近い順に攻撃しまくるフィールドボスに対し
私達はその隙間を縫ってスキル攻撃を続けていました。
互いに声かけし合い、どのような状態かを後衛が常に叫んで前衛へ知らせつつ投擲攻撃。
硬化が解けた瞬間に爆缶で攻撃ということも起こりました。
そうして倒したことは、ウィークリーアルゴにも記載されました。
その当時、2024年4月16日に案山子アイテム投入から一週間。
4月17日から、まだやることがあるからとケイトが昼寝や晩の睡眠も突っぱねたことで、一緒に寝ることが無くなった。
食事をする場所でも見たことが無く、飲み物も食べ物もストレージに全くなく、ギルド共有ストレージから取り出した形跡もなかった。
他の人達に聞いた所によると、寝た所も食べた所も飲んだ所もろくに見ていないとのことでした。
頭がぐらぐらして倒れそうになっていたことが多く、4月30日当時においても既にふらふらだった。
今から察すると、13日分もの空腹感があるとしても何も感じないほどに疲弊しきっていたのだと思います。
きっと、その時には既に限界を通り越していたのでしょう。
ストレスになるような出来事が重なり、周りのサポートが十分得られず、睡眠も不十分になりがちな状況が続くと、
ストレスとなる出来事を脳が処理しきれずにパンクしてしまい、脳の機能に変化が起こる。
その結果、脳が判断している「ものの見方」が極端に悪いほうに向かい、自分の今の状況をより悪く感じたり(負荷の過大評価)、周囲のサポートが頼りにならないと考えたり(サポートの過小評価)、不安が生じて眠れなくなるといった『悪循環』が起こる。
それが鬱病に陥った正体でした。