第26章 攻略再開
自分を持つのが怖い。
そう言っていた。
でも、それがあったからこそ成し得たこともある。
だからこそ救われた命も多々ある。
だから前を向いて、堂々とすること。
そう言い聞かせ
『不安になった時はいつでも聴きます。
私が何度でも奮い立たせます。
だから、前を向きましょう。
一人が不安で仕方ないなら、私も一緒に戦いますから』
そう笑いかけると、嬉しそうに涙を滲ませ、零した。
『あなたにしかない、他でもないあなたに合った方法で』
そう伝え、一緒に考えていくことにした。
何故過労になったか、どこからキャパオーバーに陥ったのか
彼女にあった仕事のやり方はどんなものなのか、集中できる時間は?
そういった点まで議論していくことになりました。
考えてみれば、ここの所仕事ばかりで、それ以外は攻略のみと息つく暇がなかった。
それもまた要因の一つだろうと話に持ち上がり、少しだけ落ち着いた。
ちゃんと言ってくれなければわからない。
話し合わなければ気付かない点にまで目を向けることができるようになった気がしました。
今はまだ無気力のままで、何かをしようとする気力がなくなっていた。
それがわかっていたからこそ、私は休憩するよう申し出ました。
ケイト「休憩って…具体的に、一体何をしたら?」
クレハ「あなたがしたいことをして下さい。
たとえばオセロからトランプまで、何でもいいですよ」微笑
ケイト「…じゃあ、クレハと抱き締め合って眠りたい。
眠ったまま、永遠に覚めなければいい」
クレハ「怒りますよ」じろり
ケイト「怒られてもいいから…それぐらい、一緒に居たい。
夢の中でも、ずっと」
それが一番の望みだと、彼女は言ってくれた。
それを私は喜ばしく感じながらも、以前のようにやりたいことへ突っ走れるようサポートに回ることを心に強く決めました。
一日目は休息、
食べるのも忘れるぐらい一緒に眠り続けていました。
『ケイトが引いた大凶は、このことを示していたのかもしれませんね』
ふと、眠る直前にそう思いました。