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白い流星【ソードアート・オンライン】

第26章 攻略再開





ケイト「…」

ばたーん!!


クレハ「!ケイト!?」

抱き締めながら言い聞かせた後、その訴えに頷いたかと思った矢先

彼女はそのままベッドへと倒れ込んだ。


きっと、心も身体も限界だったのでしょう。

ふらふらで、感情の起伏さえもなくなっていて。



だと言うのに、私はその変化に気付けなかった。


今思えば、限界だったからこそ、あれほどに泣き叫んだのでしょう。

よく目を凝らせば見えるはずだったのに…



超絶忙しい時はなんともなくても、突然時間ができると時間差で精神が病んでくる。

彼女の場合、過去も環境も特殊だったが故に余計だったのでしょう。


考えないようにしていた。

きっと、やりたいことへ目を向けることで精神を維持していたのでしょう。


それを理解するまでに、時間がかかってしまった。



『今からでも間に合うでしょうか?』

そんな心細い思いが、疑問が、胸をよぎった。



いつも笑っているように見えて、彼女は戦っていた。

なら、弱音を吐いてる暇はありません。できることをやるしかありませんね。


そう思考を切り替え、頭を振ってから前を見ることを決めた。



それから1か月近く、誰とも接触も連絡もせず療養する時期に入りました。

医師に診てもらった所、やはり鬱に陥っていたようです。


霊感が故のそれまでは理解されないだろうと諦めている。

拒絶されることに、きっと今も怯えている。



いつか限界が来る。

あんな過去を持っていて、あのような自傷行為をして笑っていられるほどひどい状態に陥っていて
自殺しようとしない方が不思議だった。


ケイト「でもまだ案山子の件のが残ってて;」

休みを伝えられた時、そう言っていた。

でも私は告げた。



クレハ「仕事はあなたの能力を活かし、社会に貢献できる一つの手段です。

ですが仕事の目的が「自分を認めて欲しい」ではいつかきっと心が悲鳴をあげてしまいますよ。

今のあなたのように…


『自分にとって、豊かな人生とは何なのか?』

そういう軸をしっかり持って下さい。

私は、あなたと共に道を歩んでいくことです。


あなたのそれは何なのか、休みの間にゆっくりと考えていきましょう。

その人生の痛みを経て、どんな道を行きたいのかも」


そうして、これまでにない時が始まった。


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