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白い流星【ソードアート・オンライン】

第26章 攻略再開





大会の時、あまりの戦力差に絶望する人がいた。


その人が見せる顔と、同じ表情をしていた。

目の輝きは失せ、気迫も何もかもが消えていた。



ケイト「大人になって話を聞いてくれるようになったところで、これ以上なんて求めるだけ無駄だ。
何の救いにもなりはしないさ、私にとっては特にな。

いじめという行為が、あいつらにとっての自己満足にしか過ぎなかったように…
それはただのエゴで、誰の為にもなりはしないのだから」

うんざりとしたような声、それには気持ちさえも宿っていないようにも見える中

ケイトは静かに体を起こした。


とても…見ていられなかった。



ぎゅっ

そっと抱き締めると、その身体はどこか冷たくて、疲れ切っているようにも見えた。


ケイト「?どうした?」

クレハ「…すみません。発言が過ぎました。

一番あの理不尽極まりない行動に怒っているのは、あなただというのに」

ケイト「怒った所で無駄だからな。相手は決してそれを認めやしないさ」

淡々と言う声は沈んでいて、疲れ切っていて今にも死にそうだった。


クレハ「もうやめましょう。

一度休んで、回復し切るまで…ゆっくりと過ごしましょう。


これ以上はキャパオーバーです。

言っている意味が解りますか?」

ケイト「?いや、わからない。

そもそもキャパオーバーって何?」

クレハ「自分の中の許容量を大幅に超えてしまうことです。
つまり、処理できる範囲を飛びぬけて次から次へと、新しい問題がやってくる。

そんな状態だったのに、無理を押して自分がやらなきゃと追い詰めていった。
その結果、過労で倒れることとなったのでしょう。


そもそも心も疲れ切っていた。

だと言うのに、私はそれを見抜けなかった」

ケイト「それを言うのなら私もだ。だからクレハが謝ることは」
クレハ「下手をすれば死んでいた!!

そんな危険な状態だったのです。
他でもないヒースクリフまでもがそう言っていました。


お願いだから…あれほどきついのなら、言って下さい(ぎゅううっ)

わからなくてもいいから、あなたが怒らなくていいというのなら我慢します。
だから、ちゃんと休んで」


我慢して体壊しても、それで目的が成し遂げられたとしても

誰も感謝しないし、喜びもしない。


その点だけは覚えておいて下さいと訴えかけた。


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