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白い流星【ソードアート・オンライン】

第26章 攻略再開





ケイト「逆だったらわかるよ?

クレハもクラインもキリトもアスナもグレイクもヒースクリフもディアベルもキバオウもシリカもリズベットもエギルも…
皆、みんな大事な人だ。

その人達が傷付いたなら、きっとクレハみたいに泣きじゃくる。

苦しくてしょうがないから…そこまではちゃんとわかる。


でも…私に置き換えると、どうしたってわからない。

わからないんだ。

私が死に掛けて、それで泣きじゃくられることが。


寿命が縮むぐらい心配したことだってあった。

それと同じなんだって頭ではわかってても、心が…疲れ切ってるのか、疲弊しきってるのか…わけが、わからなくなっちゃうんだ」

俯くかのように陰りが入る彼女の顔に

今にも消え入りそうな声に、私は愕然とした。


色褪せたような表情にじゃない、元気がない表情にでもない。

その目が死に、光そのものが消え失せていたことでもない。



ただ…それを喜ぶべきことだと、染み付いたそれが消えてくれないこと。


どれほどの想い出を重ねても、どれほどの出来事を重ねても…

その過去はあまりに強烈で、無理やりにでも引き戻されてしまっていることに。



ケイト「だから、クレハ…私は」

クレハ「わからなくても構いません」

ケイト「?」

クレハ「それをした奴等を殺せばいい話です。
死なんて生温い、呪いさえも生温い、ありとあらゆる方法を駆使してあいつらにそれ以上に強烈な地獄を
ケイト「見せなくていい」きっぱり

クレハ「!?どういう意味d
ケイト「言っただろ、無駄だって」

クレハ「しかし」
ケイト「どれだけ怒ろうが、呪おうが、決して変わらない。

あいつらは、自分が悪いなんて思ってないよ。
こんな事態呼び起こすなんて、思いさえもしてないよ。

気付きさえしなけりゃ謝らないでいい、事の重大さがわからないから謝らない。


それが私の知るあいつらだ。それ以上でもそれ以下でもない。

その当時の出来事で、主張の強い相手にされるがままに振り回されて、何も言えずにいる自分を見て楽しそうに笑い続けてきた奴等だ。
いくら求めた所で酷なことしか返っちゃこないさ、経験上な。

だからこれ以上は必要ない」


淡々とした口調に、私はかける言葉を見失った。

その様子はあからさまに、心を失い、死した者そのものだったから。


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