第26章 攻略再開
星空を前にして、彼女は目を輝かせるでもなく…
見とれるでもなく、ただ俯いていました。
普段の彼女なら大声をあげてはしゃいで喜びそうなだけに、疲弊がより一層色濃く感じた。
クレハ「随分疲れているようですね」
ケイト「そう?」
クレハ「ええ。とても、いつもの生き生きした表情が見る影もないぐらいには」
ケイト「そっか…クレハがそう言うってことはよっぽどなんだな」苦笑
クレハ「ええ…
あなたの行動は目に余るものばかりです。
今回のは特に」
そう前置きを告げる中、ケイトは重々しく溜息を吐いて両膝を抱えました。
いつものことですが、何か問題を抱えている時はよくそうしている。
本人は気付いていないかもしれないけれど、抱えているものが重ければ重いほどそうしていることが多くあります。
クレハ「ケイト…何があったのですか?」
ケイト「別に、何も」
クレハ「私にも話せない事なのですか?」
ケイト「…ううん。
案山子アイテムさ、すんごく役に立ってる。
それはわかってる。
でもさ…悪用する為に使わせたんじゃない。
相手を護る為じゃなくって、攻撃させないでLA取る為に使う奴まで現れただろ?」
クレハ「ええ。あなたが咄嗟に光で案山子を収容してましたが」
ケイト「あんな使い方が頻発したら、何でもありになっちゃう。
でもどうやって取り締まればいいかわからない。
ただでさえ問題が山積みで、それをさらに水増しさせて増やした。
ただ、皆を困らせたんじゃないかって…だから自分が何とかしないとって。
ごめんな…
本来なら、こんな問題起こらなかったはずだったのに」俯
歯噛みしながら、彼女は悔しそうに語った。
それを聞いた私は、得心しました。
彼女が何故、それほどまでに疲れ切っているのかを…