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白い流星【ソードアート・オンライン】

第26章 攻略再開






56層フィールドボス《ジオクロウラー》、カメレオン型のモンスターだった。

現在判明しているのはボスの姿と攻撃パターン。
見た目は大きく、丸く突き出した目は顔の横についているため、ほぼ360度死角はない。その風貌はまさにカメレオン。

四本の足にはそれぞれ鋭い鉤爪かぎづめを持ち、伸縮自在の長い舌による攻撃は素早く鞭のようにしなる。


中でも一番厄介なのは、そのボスの『体色の変化』に伴うステータス変化。

通常は緑色だが、一定時間ごとに赤・黄・黒とランダムに変化することで
順に、与ダメージの増加・敏捷性の上昇・体表の硬質化に伴う『被ダメージの減少』といった変化が生じる。


そういったトリッキーな特性とその強さから『フロアボスに匹敵する』とまで囁かれており、このフィールドボスの影響で攻略組は現在足踏み状態となっていました。



誰も妙案を出すことなく、ただいたずらに時間が過ぎていきました。

ケイトは何か考えがあるようですが、言い出すこともなく…


ですが会議の沈黙を最初に破ったのは

常に攻略に対し全力を注ぐ、一人の女性が発した声だった。



アスナ「フィールドボスを、村の中に誘い込みます!」

『おお!』

その今までにない案に、この場の誰もが驚きの声を漏らしました。


実際の所、その作戦は実現不可能というわけでもありませんでした。

各階層に出現する中ボス的位置づけのフィールドボスは、出現地点から大きく動かないタイプと長距離を移動できるタイプの二種類が存在する。

《ジオクロウラー》は後者のタイプ。


後者のフィールドボスが街や村といった圏内に侵入した場合、一時的にではあるが犯罪防止アンチクリミナルコードが解除され、フィールドボスが圏内で暴れると怪獣映画のような有様に陥ります。

その時は建物も破壊されますが、フィールドボス討伐後は何事もなかったかのように全て元通りに戻ります。

その辺りは流石ゲームといった所ですね。


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