第25章 花見
グレイク「君を、心から愛しているから。
より幸せになれる道があるのに、それを閉ざすなんて僕には出来ない。
わかっているなら、なおさらだ!
だから一緒に探そう。
その道があるなら、諦めずに見つけ出してみせよう。
たとえ無くても切り開けていけるよう、僕が手伝うから!」
私の右手を両手で取って叫ぶ彼の眼も表情も、どちらも真剣そのものだった。
心からの言葉だと、すぐに伝わってきた。
それほど大事に想ってくれている。
それはわかっている。
それでも、私には応えられない。
私には…それ以上に
ケイト『クレハ!^^』左手を差し伸ばす
どうしても、忘れられない存在がいる。
何においても、大事な存在がいるから。
クレハ「ケイト…っ;」涙
彼に向けて、頭を垂れた。
ケイトの笑顔がどうしても忘れられず、頭から離れず
変わらず隣に居たいという欲求が、想いが…
心が、どうしても止められない。
『私には、どうしてもできない。
ケイトのことを諦めて、彼を想うなどっ…』
そんな失礼なことは口に出せなかった。
私の右手を両手で取り、真っ直ぐに見つめる中
涙を流す私に、彼は落ち着くまでそっと微笑んで頭を撫でてくれました。
「大丈夫だよ」と言い聞かせるように…
私が選んだのが彼でよかった。
心から、そう思いました――
諦めなければ、きっと…
その想いから、私は情報を探し続けていました。
同性婚とその子供についての記述を、知っている人から尋ねて回っていた。
そして現在においての医療技術、iPS細胞をもとにしての再生医療に辿り着きました。
そして2024年4月4日において
『不妊治療』としてその技術が実用化され、同性婚者に提供されていることに――