第4章 攻略組
顔向けできない。
そんな資格がないようにも思えた。
その傷に、負荷をかけてしまったんじゃないのか…
それが、余計に苦しみを増させた。
クライン「おいおい、本人は気にしてなさそうだぞ?
全然気にせず笑ってたじゃねえか」
キリト「俺は…そんな、つもりじゃなかったんだ。
知らなかった。
知らなかったからって…あんなことっ;
「自分は大丈夫だから」って送ってきたんだ、ケイトは。俺は、そのメッセージ鵜呑みにして。
不安で仕方ないのを無理やり押し殺して、俺のこと考えてのことだってことぐらい…考えたらすぐわかるはずなのにっ;
そんなことも、出来ずにっ;」
拳を強く握り締めながら、震えが止まらなかった。
気付けばしゃっくりを上げていた。
咽び泣いていた。
あのβテスターと呼ばれかけた時、一人きりなことを感じた。
周囲からの疎外感を感じた。
でも、それを一気にケイトは取り払ってくれた。
あの当時、俺は謝って
ばしぃっと乱暴に叩かれて、それで赦すって言ってくれた。
その件が終わって、キバオウの告白をケイトが振り払った後
階段を上る前に言われた言葉が脳裏に浮かぶ。
ケイト「大丈夫だよ(微笑)
一人じゃないぞー?^^」ぽんっぽんっ
どんなに幸せな世界で生きてきたのだろうか…
そう、頭を軽く叩かれながら思う自分がいた。
でも違っていた。
理不尽な目に遭い続ける中、必死に戦い続けて生きてきた。
誰にも助けを求められない状況で生きてきたから、一人以外の状況になったことが無かったから…
だから……あいつは、一人になるしか。
それがわかるから、助けようとしてくれた。
俺もあいつを助けたい。なのに、助けられない。何を言ったらいいかわからない。
何をすれば助けになるのか解らない。
ましてや俺は…逆に、傷を深めてっ……
不甲斐なさからか、悔しさからか…
思考がこんがらがってきたのか、自分でもわからない。
自分でも、涙が止まらなくなっていた。