第4章 攻略組
クライン「お、おいおい;
本人は全然気にしてねえぞー?;」たらたら
キリト「あんなにもされる相手の気持ちになれる優しさを持ってる奴なのに
それを利用して、踏みにじって、まず最初に湧き上がるはずの怒りも感情も、何も感じなくなるまで殺し続けていた周囲を…そいつらが作り上げていた環境も…
聞いてるだけで「ひどいな」って思った。聞いてる時、そう呟いた。
でも、俺も…
それを、逆に増やしてっ」ぼろぼろ
不意に零れ落ちていく涙が増えていき、自然としゃっくりが上がり、両方共に止まらないままのそれに…
クラインは必死に、持ち直させようとしてくれていた。
当時のことを思い出すと
まるで、酔っ払いの上司に絡まれた部下という感じになっていた。
さしずめ俺は、泣き上戸の酔いどれか?;
そんな状況の中、ケイトは…
ケイト「そっかそっか♪
そんなにおいしいか~♪嬉しいなあ^^♪」にこにこ
能天気に気付いてもいないまま、おもむろに鼻歌を歌いだした。
そんなずれた所が、周囲は気に食わないと感じたのかもしれない。変だと思ったのかもしれない。
しかし、そのおかげで助けられた人はここに居る。
ここに居るんだ…孤立していたはずの未来から、助け出された人が。
ケイト「は~るがき~た~、は~るがき~た~、ど~こ~に~きた~?♪
の~にぃきた、きりとにきぃた、く~ら~い~んあほ~♪」
クライン「って何で最後に俺とぼすめてんだ!?;」
ケイト「いやあ~。
だって字余りだったものでピッタリな言葉を」
クライン「もうちょっとマシなもんにしろよ!;」
ケイト「じゃあ髭」
クライン「髭!?;」
今真冬だぞ?;(12月)
涙ながらにツッコみたい衝動に駆られたのは言うまでもない…;
それも計算なのか…いや、無意識的な癒し体質というか…
無意識で、和ませようとしているのだと思う。
そんなふざけた会話に、気付けば笑いが込み上げてきた。