第4章 攻略組
キリト「…あのさあ、クライン」
クライン「んー?どうしたあ?」もぐもぐ
キリト「…ケイトの、話なんだけどさ」
クライン「おお。
お、これマジでうめえ!おかわりもういっちょ!」
ケイト「あいよぉー!」
声をひそめながら、ケイトに聞こえないよう
クラインだけにギリギリ聞こえるよう話した。
キリト「あいつは…父親に殺されかけた、らしいんだ」
クライン「え!もがもが
キリト「大声出すなよ;」
口を塞ぎながら溜息交じりに呟くと、それを振りほどきながら尋ねられた。
クライン「で、それは確かなのか?」
キリト「ああ。
アルゴ曰く、本人に直接聞いたんだと」溜息
クライン「ほほお。そりゃ重いな;」
顔をしかめるクラインに、俺はうつむいたままだった。
キリト「物心つく前からDVを受けてたらしくてさ…
その上、学校でもいじめを受けててひどい言葉ばかり言われてきた。
陰で何かしら言われるばかりで、ちゃんと面と向き合ってぶつかってくれる相手はいなかった」震
ぽとっ
クライン「ぎょっ!)お、おい?;
何でお前が泣くんだよ!;」あせあせ
キリト「いくら泣いても、叫んでも、全然取り合ってくれないんだ。
嘘つき呼ばわりされて、殺されかけて、傷付けられ続けるばかりで…
傷付けないように頑張ってるのは見てたらわかるよ。人のことばかり気にして、そうしないと生きてけなくって…
何で、そんな風になるまでっ……
何も知らないまま…俺はッ;;
それ以上、傷付けるつもりなんて;」ひっく
クライン「おお!刺身が来たぞ刺身!
泣くほど嬉しいのかキリトォ!!^^;」なでなで&引きつり笑い
ケイト「はははっ^^
そりゃよかった。残さず食べてね♪」にこにこ
笑って刺身を置いてから向けてくれる笑顔にも、去っていく背中にも
俺は…目を合わせることも、見ることも出来なかった。