第25章 花見
クレハ「そういえば運動神経がいいと噂がありましたが、運動に関しては頑張っていなかったのですか?
勉強だけは頑張っていたと、前(764ページ参照)に言っていましたが」
ケイト「ああ。
あれに関しては毎日一人でやり続けてたから。
全力で投げて、全力で取って。っていうのを息が切れてぶっ倒れるまでやる遊び。
小さい時から親があれだったからコミュニケーションそのものが苦手で、姉がいなかったら言葉なんて覚えてなかったと思う^^;
母親は自分の愚痴を永遠続けるだけだったし」遠い眼&苦笑
『…どんまい;』
ケイト「でもまあ、父親のあれのお陰で避けるのは出来るようになったし
高校3年でいきなり殴りかかられたけど走りながら避けれたし^^;
まあ、そんなこんなで高3での体育は学年2位だった。
自分を否定しないで受け入れてくれる存在なんて…
物言わぬ存在だけだったなあ。
動物や動かないもの、ベイブレードぐらいだったかなあ」
キリト「ダメだ。完全に目が死んでいる;)
とりあえず、今は綺麗な花を見ることに集中しないか?
探索に来たんだろ?」
何とか話題を逸らそうと試みた結果
ケイト「そうだね!元気よく行こう!おー!!」
突如として持ち直し、拳を振り上げていた。
私達に気を使ってのことでしょうが、今となっては助かります。
クレハ「ケイト、今でも私は赦せません。
気付けば怒りに駆られるほどに、彼等のことを憎んでしまう。
あなたがあのようになった理由は、そこなのに…何故あなたは、彼らを前にしてあのように普通に話せるのですか?」
ケイト「?私は赦した覚えはないよ?」
クレハ「え?」
ケイト「私はね、クレハ…
いじめっ子達を憎くないなんて思えない。でも過ごした時は帰っては来ないんだよ。
でもそのお陰でクレハに会えた時の喜びが、幸せがはちきれる以上だった!
だからね…私は、前を向いて進むことに決めたんだ。
一々気にしていても前には進めないし、でもだからと言って蔑ろにしたりはしない。
全部背負って、忘れずに。
その上でクレハと一緒に生きていくことを私は決めたんだ」
クレハ「!!
立派です。凄く、立派ですとも!」
そのケイトの抱くその『考え方』に、私はこれまでにないほど感銘を受け、激しく頷いて同意した。