第24章 誕生日とエイプリルフール
ケイト「あの…さ」
『?』
ケイト「無視されたって時の、気付かなかった件もある。
でも、一回だけ記憶があるんだ。
自分の名前を呼ばれて話しかけられた時の記憶が。
その時のこと、ちゃんと説明させて欲しい」ぺこり
「でも何で話しかけた時返事しなかったんだよ」
「無視してきたのってワザとなんだろ?」
ケイト「その一回以外はワザとじゃなかったんだよ…それだけは信じて欲しい。
でも記憶のある件については本当にごめん(ぺこり)
当時の私は、怖かったんだ。
ただただ怖くて怖くて、どうしようもなくって、言葉がすぐに出てこなかった。
で、返事をしない内に舌打ちして去っていかれて…
余計、何も言えなくなっちゃったんだ」俯
「……それも父親故のって奴?」
ケイト「うん。ちゃんと言えなくてごめんなさい!」ぺこり
「あー。DVの?」
ケイト「うん。
その当時はね、いじめられっ子から助けてくれた男性の先生が現れてない時だったでしょ?
だから…その…男が怖くて、余計…
口どもっちゃって、声がのどからつっかっかって出てこなくって」
「でも好きな奴とは話せてたんじゃ?」
ケイト「そりゃ優しく声かけてくれた人にはね;
1年生の時、ジャングルジムで足滑らせた時に「大丈夫?」って言ってくれた人だったし」
「お前、それで惚れたの?;」
ケイト「気になってただけ!
それを…その…好きな人ってことで話されて、振られたってことにされた時は泣きじゃくったけど
そりゃ耐えられずに;」ずううん
「そりゃあいつだろ」
「俺達とは別だからな?;」
ケイト「それは知ってる。よく解ってる。
ちゃんと話してくれてありがとう。頑張るから、ちゃんと話せるように、踏ん切り付けられるように。
あの時のことは…本当に、ごめん」涙目
『泣くなよ!!;』
涙目になるケイトに、いじめっ子達は慌てふためいているようです。
それで睨まれたり、あの時のように殺せコールになどなったら大変でしょうしね。