第24章 誕生日とエイプリルフール
ケイト「そしてその事柄は、一体いくつだった?
毎日毎日いじめという行為をひとくくりにしてやり続けていたけれど、一体それが何回だったか覚えてる?
こっちは憶えてるよ。いじめてきた回数まで、何をやってきたのかも全て。
PTSDに陥るほど、何回も何回も叩き込まれてきた事柄だったから余計にね。
でもお前達は当時、謝らなかったよね?最後の最後で先生に強要された一回以外は。
何度も何度もやっておいて、それ一つ毎に悪いとも思わずにやっていたそれは、
都合よく忘れていったそれは、はっきり言って悪質だよ。
その事柄一つごとに謝らせるとしたら、一体何回謝らないといけなくなると思う?
人に謝罪を要求する前に、自分のしてきたことを見つめ直して下さい。
お願いだから」お辞儀
クレハ「というより…彼等、人に謝罪を要求できる立場ですか?;」
ケイト「それは言わないお約束」むぎゅ
そう言いながら、私の両頬をつまんできました。
それ以上は言うまいと、彼女の主張が伝わってきたので
余計なことは言わないことにしました。
ケイト「というか、気付かないまま気に食わないことをするってのは、どこの誰にでもある。
価値観が違うんだから、それは当然だ。
自分が赦せる事柄と、相手が赦せる事柄、それらが全て共通だなんてことは絶対にない。
だから多分、そういったすれ違いが起きたんだと思う。
当時は気付けなくて、本当にごめんなさい!(お辞儀)
今になってから謝るしか出来なくて、ごめん。
でも、それを説明してくれなければ、私は解らないんだ。
育った環境が違う自分にはその価値観は解らないから、睨んだりいじめられても
ちゃんと話してくれなければ私にはわからないし、伝わらないから…
仕返しもダメっていう環境で、理不尽にいじめられるという時間しか、残らないから。
その時はちゃんと説明して伝えてくれれば助かります。
何が嫌なのか、私は知りませんし解りません。
相手がどう考えて嫌なのかということも。
できる限り助力致しますので」お辞儀
クレハ「あの…
お互い、ちゃんと話さなかったのが『そもそもの発端』じゃないんですか?」
『……』
いじめっ子達とケイトがその言葉に目を丸くしながら顔を見合わせた数秒の後
『ごめんなさい』ぺこり
同時に頭を下げていました。