第24章 誕生日とエイプリルフール
そんな折、慌てたように駆けつける足音が響いた。
しかし、そんなことへ耳や目を傾けるなど当時の私にはできなくて
それに気を止める余裕さえも、私には全くなくて…
クレハ「あああああああああああああああっ;;」
未だに膝から崩れ落ちた状態で咽び泣き続けていました。
ケイト「ドッキリドキドキ大成功!こりゃあ一本取られたよ!
ばんざーい!^^♪」
そんな声さえも、全く聞こえないまま泣き叫ぶばかりでした。
ケイト「あの…クレハ?;」
クレハ「わああああああああああ;;;」
当時の私には、お母様が死んだ時と同じような光景が脳裏によぎっていて
失いたくない人を失ったという感触に、手の中から消えていった感触があまりに生々しく残り続けていて…
ただただ哀しくて、やるせなくて…泣きじゃくることしか出来なかった。
ケイト「おーい、クレハやーい;」ついついっ
クレハ「あぁぁぁぁぁぁああああ;;;」
うつ伏せになって覆い被さるように泣きじゃくっていたのですが…
当時の私は全く気付かない。
ちょろちょろっ(ウロウロとクレハの周囲を歩き)
ついついっ(肩をつつく)
クレハ「ひっ;えっぐ;;」ぐすぐす
そして何度も何度もしつこくつつかれ、少しだけ顔をあげると…
ケイト「ドッキリドキドキ大成功♪
こりゃあ一本取られたよ♪
ばんざーい!^^♪」万歳
そう言いながら、当の泣きじゃくる発端となった本人が
プラカードを見せながら、上機嫌に歌っていました。
そのプラカードには
―――――
|ドッキリ|
|ドキドキ|
| 大成功 |
―――――
と書かれており、一時とはいえ失ったショックが胸中を占める中
そんな能天気にも似た行動に対する怒りがそれさえもぶち抜きました。