第24章 誕生日とエイプリルフール
ケイト「私さ…ここまで頑張ってきて良かった;」
そう言葉を発したケイトは、涙を流していた。
こんな時が来るなんて思いもしなかったと、嬉しそうに語っていた。
それを見て、私も嬉しくて嬉しくて…思わず抱き締めた。
それにケイトもまた嬉しそうに抱き返してくれて…それだけで、ただただ幸せな心地になれた。
クレハ「所でクラインとお風呂に入ったのは、クラインの誕生日祝いの為ですか?」
ケイト「うん。それだけで十分だって//」てれてれ
クレハ「そうですか」じとー
クライン「何でそこで俺睨むんだよ!;
ケイトの誕生日プレゼント用意してんだぞ!;食券1年分!」
クレハ「それは偉いですが…」
ケイト「ありがとね、クライン^^」
クライン「おうよ!^^b」
ですが…
そんな温もりを失う日なんて、来るとは思いもしなかった。
2024年4月1日
とある朝に、私は白の鳳凰の談話室に呼び出されました。
ケイト「クレ、ハ…」げふっ
クレハ「!!ケイト!!?」
その様子はあまりに弱々しく、心配に駆られて駆け寄ると
咳がひどく、呼吸もままならないようにもうかがえました。
膝から崩れ落ちるケイトを支えようと抱き締めると
ケイトは、その手を重ねてくれた。
ケイト「ごめ…もう、けふっ」
クレハ「ケイト!;」
気付けば、いやいやと首を横に振っていた。
そのまま消えていきそうで、それが嫌で仕方なくて…
明確な変化が訪れたのは、そんな折でした……
ケイト「クレ、ハ…みん、な……
あり、が…と……
たの、しかっ
バリィン
そんな無機質な音と共にケイトの姿が消え、欠片となって散っていった。
クレハ「あっ…あ!」
割れた欠片を追いかけるように、気付けば手を伸ばしていた。
還魂の聖結晶(蘇生アイテム)のことなど、頭に浮かばなかった。
そんなに余裕がなくなるほどに、私は…
彼女のことを、誰よりも想っていた。
クレハ「あっ;
ぅっ;;
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ;;;」
その欠片を集めるように、自身の胸へ抱き締めながら泣き崩れた。
その慟哭はギルド中に響き渡り、哀しみを露わにした私の叫びは、どこまでも木霊してゆきました。