第24章 誕生日とエイプリルフール
満天の星空のように瞬く星空を描いた、光の粒だらけの天井…
そこの真ん中には、来た当初から既に書かれていました。
『Happy Birthday!! Keito!』と……
それを囲うように光る粒達に囲まれるそれは、まさにケイトそのものを示したもの――
私達にとっては、希望そのものであると同時に『流れ星』のような存在だったから。
気付けば周囲が集い、こんなにも大きな組織となった。
フォロー課にも様々な部署が増え、数多の事柄が職業化されていき、リアルへと近付いた。
仕事と経験値稼ぎを別とし、楽しい事柄やイベントを増やした。
それに伴い、笑顔でいられるプレイヤーが非常に多くなった。
閉じこもっていたプレイヤー達の心を開き、楽しいことを提示し
共に歩もうと、前へ進もうと呼びかけ、動き出すまで待ってくれた。
それらの行動があったからこそ、あれほど楽しそうにしている人達が非常に多くいる。
教会の人達もまた、レジャーランドで楽しんでもいるし、職業の手伝いをしてコルをもらったりもしている。
配達もまた、子供でもできる職業とされているのがポイント。
そのケイトの尽力があったからこそ、死のうとしていた私達は生き永らえ、一大ギルドの『白の鳳凰』となった。
そしてアインクラッドは暮らしやすくなり、よりよい生活を過ごせるようになった。
そこには警備課がいるなどのことによる安心感を伴っていて…
街行く人たちの誰もが笑顔になっていた。
確かにケイトがいなければ、その根幹が無くなってしまえば…
このような平和など成し得なかったと思います。
私の命さえも……
だからこそ、ケイトが生まれてきてくれてよかった。
そう心から想うのです。
そうケイトへと訴えかける私の言葉に同意するように、キリトとアスナは頷きました。
そしてケイトは号泣していました。
『それほど私のことを想ってくれているなんてっ;』と…
そう嬉し涙を流すケイトに、私は再び言い放ちました。