第4章 攻略組
湧き上がってくる感情は全て殺すしかなかった。
誰も助けてくれなかった。
それが、ケイトにとっての全てだったそうだ。
周囲の誰もがケイトのことを変だと言い、罵り、拒絶し、ひどい目…要するに、周囲はケイトをいじめ続けてきた。
暴言は当たり前、毎日あって普通、誰も味方がいない。
誰も助けようともせず、常に一人きり。
その上、そのいじめに加担する者もおり、保身のために一緒になって笑ったり、周囲は何事もないかのように笑っていた。
その上父からのDVも物心つく前(結婚後)からあり、暴言から暴力まであったらしい。
誰にも相談できず、母や姉を護ろうと奮闘するも
いじめでもまた同様に、自身が護られたことは限りなく無に等しかったらしい。
そういった時間があまりにも長かったため、一人でいる生き方以外わからない。
誰にも助けられず、傷付けられ続けてきたようで
当て逃げで死にかけても笑われたり、昼まで休めてずるいなどと言われたり、「死ね」「学校に来るな」「来たら殺すぞ」「消えろ」「気色悪い」などなどと貶められ続けていたらしい。
彼女は学校のことを、犯罪行為が赦される牢獄を兼ねた学び舎としか思っていない。
そういった暴言による侮辱罪、来るなと脅してきた恐喝罪、
嘘つきなどと、していない行為を本当のことのように言い続ける名誉毀損罪…
数えていけばきりがない。
気に食わなければ何をしてもいい。多人数で絡めば何をしてももみ消せる。
なかったことのように振る舞えば何も問題は起こらない。
皆でかかれば何をしても正しい行為となる。先生に言われようと何度でも繰り返す。
人は、同じ経験をしなければ…
いや、していようとも決してやめようとはしない。
何年もそう接され続けるあまり、人間に対しては恐怖心以外抱かなくなったという……
ケイトにとって…
話そうとしても話しかけてくるなと叫ばれ、威圧されたことから
話しかけようとする際、声が出なくなったという。
父もまた同じような行為をしていて、その当時に話せば蹴り飛ばされたらしい。
要するに、その日一日で溜まったうっぷんを晴らすための八つ当たりだ。