第4章 攻略組
が、それは間もなく杞憂に終わる。
ケイト「おおー!盾!」
ヒースクリフ「最近手に入れたんだ」
ちょうど、壁戦士として機能するつもりのようだ。
壁戦士は、相手との攻撃の間に入って盾となる場合が多い。
防御力を上げるためにSTRを主に上げる場合が多いが、ケイトの装備が異様に硬いからそのままでも大丈夫だろう。
ただ…そのセリオン防具そのものが難問なわけで…
強化が、それを作った本人でなければできなかったのだ。
一度試しにNPCに強化を頼んでみた所、失敗。
というより、強化そのもの自体が「製作者本人でなければ不可能」と表示されていた。
結果…耐久値も下がらず、無傷で返ってきたのだが…
本人は「強化しなければ防御力は上がらない」と、鍛治スキルを必死で勉強中だ。
性能は凄まじく良く、その上レベル上げにもいいとのことで重宝されている。
のだが、それで満足しないのがケイトだ。
やるからには徹底的に。
それがケイトで、完璧に仕上げなければお金を断ろうとするほどの…根っからの職人気質だ。
ケイトはどこか、普通の人とは違っていて…
どこが変かというと、具体的に言いあげるとすれば
ある時ケイトが、見ていて怒りを感じるほどの理不尽な目に遭わされていたわけだが
当の本人はそれよりも、「どうかしたの?普通でしょ?」と快活に笑っていて
動揺する俺に、?を浮かべながら首を傾げていた。
若干気になって、アルゴにふと聞いてみた。
すると、驚きの過去が出てきた……