第23章 イベント行事
ケイト「最初から間髪入れずにスキルを使えば、その『最初の初動』からスキルが判明される。
それだけでなく、それを知ってさえいれば全ての動きが見え見えとなる。
スキルってのは、予め決められた動きしか出来ない。
その軌道の間に短剣を置いとくだけで勝手に傷付く。
そしてスキルが起動してから後では、下手に止められない。
たとえ止めたとして硬直時間で動けなくって、その間に八つ裂きになるのがおちだからな。
それに、ある程度の軌道は全て把握しているから。
それは相手だって同じだろう。
ならばまず相手を撹乱させて正常の判断をできなくさせる、そしてそれは一瞬だけでもいい。
そうすれば動揺と同時に対応する為の動きや考え、頭を働かせる動きでさえもが一瞬止まる。
そして確実に相手を倒せるその一瞬、相手を上から突き刺すソードスキルを左手で放つ。
それがさっきの結果だ。
ここまでで、何かわからない事でもあるか?」
キリト「いいや。そっちの方が確実だな」
ケイト「うん。
誰が好き好んで自殺行為なんかするかって話だ。
石を拾って投げつける場面も考えたが、それだと印象が薄い。
それよりも激しくインパクトのある行為をしなければいけない。
ならば唯一の武器である『短剣』を投げようと思った。
手元の武器が無くなる、ソードスキルしか使えないのにそれはあり得ない。
体術スキルもない、だからそんなことはしないだろう。
そんな固定観念にとらわれた結果、そこで足元をすくわれる。
私は足払い、柔術、剣道、空手、少林寺拳法、色んな武術を一生懸命見て、実際に動いて身に付け、自分に合う動きを常に模索し続けてきた。
一番しっくりと来る動きへと完成するまで、幾多もの武術をかじり続けてきた。
だからこそ僅か一瞬で詰め寄ると同時に両足を掴んで上へ跳んで覆い被された。
その時点で仰向けにさせて、さっきのように剣を向けられないよう両足で相手の『肩と腕』を固定できた。
武術に関して言えば…キャリアが圧倒的に違うんだよ。
生き抜かなければいけなかった。誰も護ってくれなかった。自分で身に付けるしかなかった。
助けてくれる人なんざ誰もいない。
それだから余計に必死になったさ。死に物狂いで憶えた。
デスゲームの短い期間だけじゃなく、生まれ落ちたその時からずっとな」
正論ですね