第23章 イベント行事
あえてスキルを使わず、キリトへ短剣を投げつけて防がせ
その間に相手へ詰め寄りながら両足を掴んで、上へと持ち上げて仰向けに倒す。
そして地面に上半身が着く直前に上に覆いかぶさるよう動き
覆い被さる時に両肩と両腕を足で押さえつけるや否や
降ってきた短剣を左手で受け取ると同時にスキル発動、顔のすぐ隣に突き刺した。
キリト「……降参だ」汗
アスナ「速い…というより、スキル無しで?」汗
ケイト「ああ。
シングルシュートや跳躍や疾走とかの類は使ってないぞ。
ほら」
そう見せてくるステータスにある装備スキルには、変わらず『短剣』のみしかなかった。
キリト「でたらめな動きだな。
面食らって動けなかったぞ」苦笑
ケイト「動きを予測されれば、その時点で死だと思え。
命は斬られる。
生死の分かれ目だ。
スキルを使うと決めてかかれば、さっきのように足元掬われてジエンドだ。
心に余裕を持っていれば、その隙を付け入られて死ぬ。
大丈夫だと食って掛かれば、自ずとそれは動きにも表れる。
緩慢な動作、相手の動きを見極めようとしている時点でも現れる鈍さ。
鋭さを有する者に共通して言えるのは
油断していない事、決めてかからない事、絶対の自信をもって次の行動に移している事だ。
いつどんな動きを取られるか、自分は相手じゃないから解らない。
それでも勝たなければ生き永らえることはできない。だから気を常に引き締めている。
冷静の中に、闘争心が同居している感じだ。
勝負を決めるのに焦らず、最短で確実なそれを取る。
たとえそれで反撃されようとも、即座に対応できるよう、動けるように身構えておく。
一瞬の変化であっても、それに対して動けるように鍛え上げておく。
体術爺さんの時みたいにな。
神速格闘術を会得できたのはそのお陰だ。
両足を取られるとは思ってなかったから、お前は咄嗟に動けなかった。
狼狽すれば動きが鈍くなるのは道理、その瞬間に命を取られる」
そう説明しながら、当時の映像を見せて戦術の講義へと移りました。