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白い流星【ソードアート・オンライン】

第22章 異変





いじめっ子に対して言った言葉は、こうでした。



ケイト「そりゃ気に食わない奴だっているだろう。


人間、合う合わないがある。

育った環境に応じて、概念や考え方なんて人それぞれだ。


捉え方だってそうさ。

たとえばクレハは、とっても美しいという捉え方をする人もいれば、厳しそうって捉える人だっている。

捉え方一つでもこうまで違うんだ。


全部が全部、自分に合うものじゃない。

何より、人は自分を満足させるために居るものじゃない」

「え?」

「一緒に遊ぶとかそういうんじゃなくって?」


ケイト「ああ。

そしてそれは、自分が自分である為に何よりも大事なもんだ。

何だと思う?」


その問いに、誰もが『?』を浮かべた。



ケイト「生きる為に、いるんだ。



泣きたい時は泣いて、怒りたい時は叫んで、哀しい時は泣き伏せって、わめきちらして…

色んなものを抱えて、生きて、成長していく。


自分という唯一無二のものを築き上げていく。

自分にしかない生き様というものも含んでだ。



人は人だ。
その人にしかないものを、必ず持っている。

考え方、捉え方、どれを一番強く感じるかでさえもな。


だから、違って当たり前なんだ。

その違いが気に食わなくたって、それで否定して合わさせようとするのは御門違いってもんだ。


悪い所だけを見られて、そういう偏見を周囲へ押し付けて

『悪者』だって周囲にひけらかして、追い詰めるようにされてみ?

される側からしたら堪ったもんじゃない。


たとえ同じことをしていても、間違ったとしても

それで人が違っていて、気に食わない人ならそれを目ざとく周囲へ言い続ける。
他はやっていても言及しないのに、だ。

そういう風にされて、周囲から差別され続ければ何が残るか…


傷だよ。

一生消えない、『心の傷』だ」


そういう彼女の声はいつもより低く

いじめという行為を、それに伴う障害や自殺を知るからこそ、とても物々しくもあった。


その行為の愚かさを訴えかける為に、語っていた。



いじめとは、いじめっ子の自己満足や欲求を満たす為だけ

ひいては、非常に利己的で独善的な行為でしかないから。


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