第22章 異変
クレハ「学校に居るだけで嫌な思いをさせられ続け、誰も助けてもらえない、常に否定されるだけ、声を出して否定することも赦されない。
そんな環境にずっと、半年以上も叩き込まれればどうなるか…考えたことがあるんですか!!?
友と群れて、複数人数でたった一人の彼女を囲って、あなた方は何様のつもりでやり続けたんですか!!
ずっと傷付け続けて、人に囲まれるだけで発狂しそうになる彼女の心痛がわかりますか?
今はVRなので平気ですが、リアルではできないままなんですよ?いつでもすぐ人酔いするだけでなく恐怖で殺されている!
彼女は…ケイトは!!
日常生活さえもままならない状況にまで追い込まれて、陥ってしまったというのに!!!
だというのに、それほどの非が彼女にあったとでも言うつもりなのですか!!!!!」
「そんなこと言ったって仕方ないじゃないか」
「なあ。時間は戻らねえし」
「それにいじめの件については、謝せられたし」
クレハ「…は?」
謝せ…られた?
悪くないのに、先生に無理矢理ケイトヘ謝らされたと?
「ああ。だからこれ以上謝る必要なんてねえだろ」
「どうせ証拠もないんだし訴えられるわけもないって」
いじめっ子『はっはっはっ』げらげら
クレハ「わなわな)それは…どういう意味でですかっ?
人と関わる際において
ひどい行為をされることが、罵詈雑言を連ね続けられることが当たり前だと
そのように傷付けられることが、殺されかけることが喜ばしいことなのだと笑えるほどに!
人の価値観を歪めておいて、行為に現わしておいて…
いじめられっ子に散々身にも心にも染み付かせておいて、何を言いたいのですか?
いじめっ子はそれ以上に傷付いたつもりでいたのですか!?
いじめは殺人よりも残虐な行為です。
ひと思いに殺すこともなく、生きながらに苦痛を常に与え続ける行為なのだから!
なら登校しなければいいとでも言うつもりですか?
そういう行為をやっておいて、気に食わないから来るなと?
同じことをされた状況を考えてから言いなさい!!」
その時、私は気付かなかった。
彼女の現状を知ったとしてもなお何とも思わない彼等に
震えと共に涙が滲む中、私の『悲痛とも言える叫び』が響き渡る中
私と彼らの周囲に野次馬が集まっていたことも、当人が近付いていたことさえも…