第22章 異変
クレハ「そうあり続けた何年間もの時をないがしろにするだけでは飽き足らず、未だに否定し続けているというのですか?
いじめられっ子に起きた、その事象は蔑ろにすべきだと?
自身に起きた事象は、いじめっ子に起きた不祥事はいつまでも取り上げるのに!!?
訴えられても時効だから平気なのだと、本気で言えるのですか?
訴えられないことが当たり前だと、責められないことが当たり前だとする理由は何ですか?
その当時に理解者が生まれないように、接触を絶たせる為に周囲を抱き込んで、刷り込み続けて
いじめを行うことが、その過去のことを責め続け、そういう目に遭わせて当然だとすることが正義だと?
これから対面しようとする方に向かってそのような情報をもたらせばどうなるか、考えることさえもできないのですか?
そのような情報を与えられれば孤立するに決まっているでしょう!
好き好んで接触して知ろうとする者など少ないに決まっているでしょう!!」
「いや、そんなの知らねえし」
「聞いてきたから答えただけだもんな」
クレハ「なにも知らないくせに…」
『あ?』
クレハ「本当に…何も知らないのですね。
あの当時…彼女は何度も自殺を図っていたことを!!!
その度に母から必死に力づくで止められていたことを!!
だからケイトの母親はあれほどに怒っていたのでしょう!!」
『?』
「それがどうした」
「俺達には関係ねえだろ」
クレハ「あなた方はケイトの不祥事ばかりに目を向けますが、あえて聞かせてもらいます。
『あなた方は、ミスを犯したことがないのですか?』
『そうされるほどの痛みだったというのなら、それと同じぐらいの痛みを人に与えたことがないと自信を持って言えますか?』
誰でもミスは犯す。他の人が同じミスをしていても赦すのに、彼女だけは赦されない。
彼女の起こした不祥事は、確かにあなた方に嫌な思いをさせたのかもしれない。
ですが…あなた方が彼女にもたらした嫌な想いは、学校にいる間ずっと与え続けたものでしょう?
それに相当するほどの嫌な想いを、彼女がいつさせたのですか?」
一生懸命に訴えかけ続けた。
彼等がした行為が、どれほど未来を奪っているか教えたかった。
だというのに…自分には関係のないの一点張り。
自分の欲求を満たす為にいじめたことは明白でした。