第22章 異変
撮影をしている間に、少しだけ昔話をしましょう。
2024年1月中旬になった頃、ある噂が流れました。
彼女は…
ケイトは、本当は悪い人なのだと、気に食わないことをやってくる人なのだと…
初めて知ろうとする相手に、聞かれた時にはすぐに言い聞かせたそうです。
その者達は、ケイトをいじめた人でした。
過ぎ去った時間は返ってこない。
過去のことを責めても詮無きことと頭ではわかっていても、苛立ちしか沸き上がってはきませんでした。
その件に関しては私が対処しました。
クレハ「今まで当たり前に出来ていたことができなくなる苦痛、恐怖、怯え、囲まれることで発狂しそうになる、泣きそうになる。
人混みが多い場所に行けなくなるだけでなく、行けばフラッシュバックで死にたくなる衝動に駆られる事象が必ず起こる。
そんなことが、あなた達のような『いじめっ子』には起きているのですか?
アルゴから聴きました。
あなた方は学校でケイトをいじめ続けていたようですね?
彼女が常に家で、父親から暴虐の限りを尽くされていたことを知っていますか?
所有物扱いされて、ストレス発散のサンドバックにされて、あざを作ったら怒られて、誰にも打ち明けることさえもできない状況に追い込まれて!!
そして涙ながらに叫びながら助けを求めた時、嘘つき呼ばわりしたそうですね?
気に食わないからといって、そのような嘘の情報を刷り込んで…何がしたいんですか?
答えなさい!!」ギロッ
睨みながら、私は叫んだ。
この者達のせいで、そうやって言い聞かせ続けることで間違った認識が広まり
余計に彼女を追い詰めていった。
孤立させて、友達も理解者もいない状況を作り上げて、それでいながら、のうのうと自分は悪くないと主張する。
悪いのは、悪いことをしてきた彼女自身だと。
クレハ「知っていましたか?…」ぷるぷる
「ん?」
クレハ「当の彼女は…
不快な思いをこれ以上させまいと距離を取り続けた!
接触も断っていた!!声をかけられなくなるほどに!!
後に、人に話しかける際に声が出せなくなるほどに!!
その後遺症が今でも尾を引いているというのに!!!」
嫌いで嫌いでどうしようもなかった。
そのように主張する、元いじめっ子を殺したくてしょうがない衝動に駆られた。