第21章 波乱の幕開け
というのも、おそらくあの出来事からでしょう…
12月下旬、とある日…
湖のほとりでケイトとキリトがこんなやり取りをしていました。
キリト「やり過ぎだ!!!;
明らかに湖に居る『全部の魚』を取ってるだろ!;」
ケイト「えー?だってこうした方が早いでしょう?」
キリト「それはそうだが釣りの楽しみってものがあってだな;」
ケイト「光を使わなくても、跳躍の連用で水の上走れるって解ったんだから、それを使わないで何とする!」
ちなみに連用とは同じものを続けて使うことです。
そう叫びながら水の上を立っていました。
いえ、微細に跳躍をし続けながら、その跳躍による力を上方向に行くよう制御することで
立った状態で水の上に居ることを実現していたのです。
実際にそのまま渦になるよう水の上で駆け回り続けることで渦を発生、魚を狩り尽くしていました。
《跳躍》とは、エクストラスキル。
元来エクストラスキル自体、《疾走》を取るものが圧倒的に多い中、ケイトが見つけ出したものです。
習得条件は、ひたすらジャンプを何百回もするという地味な行為。
その強み(520ページ参照)は、以下のように纏められます。
・装備スキルに入れていると、跳躍による『力のベクトル』を思った方向に向けられる上、それに伴う力の大きさも増える。
・これを用いての壁跳び等の応用もまた可能。
・固有のソードスキルはないが、ソードスキルとも併用が出来、意識した時に一瞬で使える。
・硬直時間がない上、何度でも連続使用できる。
だからこそ光との相性も非常によく
床や壁等の動かぬしっかりとした足場で一度跳躍すれば、着地した際に解けるわけですが
走りによる地を駆ける際にする跳躍を利用するのなら
移動の途中=『一連の行為』の途中というくくりで判断されて解けることはないが
その途中でジャンプすれば踏みしめた時点で『着地した』=『移動し終えた』と判定が下され、自然と光が解ける。
なのでソードスキルを使うという手法を取っています。
というのも、それを跳躍する直前に使ったのならば
『一連の行為』の途中だと判断させることで、システムによる『光の解除』を防ぐのだと言っていました。