第21章 波乱の幕開け
友情、家族愛、恋愛…きっとこの感情は、どれにも当てはまらない。
それでも、それよりも欠かせない大事なものだということはわかっているつもりです。
あなたと、共にいたいと願ったこの心に、嘘偽りはありません。
あなたが私を求めてくれたこともまた、同様に…
後に知りましたが、PoHの暗殺ターゲットに狙われていたのは私の方でした。
ケイトを狙った理由は、それにおいて邪魔になるからだそうで…
他にも、彼女を慕って入った人があまりに多く、それを無くせば自然と瓦解するだろうとのこと、そして統率を管理していたからです。
ですが、彼女は最後まで守りきってくれた。
死刑クエストを受諾して、ラフィンコフィンを討伐する際においても、気にしてくれていた。
そして例の滅神討伐クエストの時、「頼りないか?」と問うた。
見つめる目を、違う所へ向けたかった。
自分を信じれていない点を、改善して欲しかった。
あなたに救われていること、あなたが死ぬことや傷付くことなど誰も望んでいないこと、いたとしても私は望まないということを……
粗末にして欲しくなかった、大切にして欲しかった、大事にして欲しかった…
これ以上、自分で自分を殺す真似などさせたくなかった……
クレハ「以上が…私の想いの全貌です。
あなたしか、いなかった。
私の経験上、私にとっては初めての人なのです」
ケイト「そっか…随分と辛かったね」涙目
クレハ「ですから…
何であなたが泣きそうな顔をするんですか?」くす
ケイト「だってぇ…;;」涙
クレハ「ほら。
またボロボロと泣いて…」微笑&頬を撫でる
そう頬を撫でながら、私はケイトを抱き寄せました。
すると、ケイトは泣きながら抱き返してきた。
愛しいとでも訴えかけるように、震えながら…嗚咽と共に。
手放したくないと、私を掴む手が訴えかけていた。
ケイト「クレハが辛いのは…嫌なんだよ;」ぎゅうっ
クレハ「そういう人を、私は探していました。
仁義を通す人が、この世になどそうはいないことぐらい知っています。外国においてもね。
だからこそ、今こうして隣に居ることが凄く嬉しいのです^^」
その絞り出すかのように出されたケイトの涙声に
私はそう答えつつ、そっと頬を撫でた。