第21章 波乱の幕開け
ケイト「あははじゃない!!;」
ヒースクリフ「まあ、学びがあると思えばいい」
ケイト「んー;確かにあながちないとは言い切れないのだけれども…;」
そう腕組みをして考えるケイトに、私は言い放った。
今後生きていく上で、力になる為にも…
クレハ「ケイト…
「嘘に決まっているのに」などとほざく輩がいたら、私にすぐ言いなさい!」
肩に手を置いて言うと、いきなりなんだという眼を向けられました。
嘘つき呼ばわりをされたという件についてですと言うと、納得したようで二人は頷いていました。
クレハ「あなたが嘘をつく輩ではない事ぐらいわかっています。
そもそもあなたは、よしんば嘘をつけたとしても驚く等の反応を見た後で罪悪感に瞬殺されて白状するでしょう。
それも数分以内に」
ケイト「おっしゃる通りで…あはは^^;」
クレハ「あははじゃない!!」
真剣な表情で叫んだ…
ですが、どうあってもやはり…怒りは消えてくれなかった。
聞いていて、あまりの理不尽ぶりに私はキレていた。
そしてそれを悪いことではないと、日常なのだと続けていたという周囲にも…
『何故そこに私がいなかったのだろう』、そんな想いまでもが込み上げていた。
『居れば必ず、そんな奴等を蹴散らしてみせるのに!』とも、歯噛みしながら…
ケイト「あのね、クレハ…
私にとってはさ、そういった理不尽の後でだったからすっごく嬉しいんだよ?」
クレハ「…え?;」
ケイト「辛いことが山ほどあった。
でも、それがあったお陰で、自分の中で築き上げられた普通とは違う普通があった。
だからその先はどんな理不尽があってもある程度は耐えられた。
そして…クレハに出会った。教えられた。
たくさんの時を紡いで、共に時間を過ごして…だからこそなんだって、私は思う。
とっても幸せだって思ったのも、希望だって思ったのも、今だからなんだよ。
過去に会ってたら、きっと境遇は変わってた。価値観も考え方も何らかの影響を受けて変わる。
そこに変わりはないと思うよ?
でもね…失った過去は変わらない。
失ったからこそ、それまでにしたかったことが全部できないままだったからこそ、今こうしてやりたい放題にできてるんだ。
だから、その当時の私がいた…
それはきっと意味があることなんだと、私は思う」