第21章 波乱の幕開け
ケイト「ごしごし)そのうち感情が麻痺して、心が消えて、殺されて…
でもそのお陰で耐えられた。
普通なら廃人になるほどのショックだったはずなのにさ…っ;
ずっと、それが普通だって思ってた。
殺されかけることが、傷付けられることが、周囲にとっての喜びだって、幸せだって思い込んでいた。
誰も否定しなかったから、それを嫌なことだなんて言う人いなかったから余計にそう思った。
でも…クレハに会って、変わった。
クレハだけじゃない。
キリト、アスナ、クライン、グレイク…皆と出会えて、命懸けで守ろうとされて…
何でそんなに必死になるのか、私には解らなかった。その普通を押し付けてくるなって泣き叫んだりもした。
けどさ…それでも変わらなかったんだ。
差別される覚悟で話したのにさ、同じようにされたって文句言えないって思ってたのにさ…
そのうちに感情が戻って、怖いって感情が、当時の恐怖が思い浮かんでは押し潰されかけた。
心を殺すことで、受け流すしか出来なかった。
そんな自分と、ようやく向き合うことができた。
当時は周りに目を向ける余裕なんてなくって、自分から周囲には悪いことしてなくたって悪いように言われてて、
それで傷付く自分を殺すしかなくって、そうされるのがって思い込むしかないままで…
自分なんてどうなってもいいやって投げ出してた。
話したって全部無視されたから話しても無駄だって絶望した。
で、先にしてきたのはそっちなのに無視されたって怒るんだ。
自分が存在するせいだったんだって思い込んでてさ。
それで申し訳ないって気持ちもあったから、余計にそこに付け込まれる一方だった。
けれど、そうじゃないんだってクレハから教わった。
感情を出してもいいんだって、聞く相手はここにいるって教えてくれた。
もう、出しちゃいけないものだって思ってたのに…抱いちゃ、自覚しちゃいけないものだったはずなのに…
何でだろうな…とっても、楽しいんだ。
楽しいことが、その時以上に楽しくてたまらない。
それに繋がったのは…皆のお陰だよ^^//」涙
話を聞いている内、涙を流しながら笑いかけるケイトに
私は耐えられず、そっと抱き締めて頭を撫でました。
「よく話してくれましたね、辛かったでしょうにっ;(涙」と言葉を添えて…