第21章 波乱の幕開け
いきなり憎いと言い出すケイトに、私はぎょっとした。
心底、血の気が引いたようにも感じた。
命の危機にも繋がりかねないことだから。
それでも彼女は言葉を連ねた。
想いを伝える為に、無視してはいけないものと向き合う為に…
彼女らしい言葉で締めくくって……
ヒースクリフ「ふふっ。
ケイト君らしいね、実に^^」くっくっくっ
椅子に座ったまま、机に両肘をついて両手を組みながら彼は笑った。
実に滑稽だとでも言うかのように…
クレハ「ふふっ。本当に…^^」
ケイト「え?何が?」きょとん
クレハ「確かに…
私も、このような機会が無ければケイトと出会えなかったでしょう。
閉じ込められていることに最初こそ不満はあった。
でも…
ケイトと出会って、変わりました。
私は、一人の人間としてぶつかってくれたケイトを…心から慕っています//」目を伏せる
ケイト「苦しいことばっかが、目白押しだった。
家でも学校でも居場所なんてなくって…姉ぐらいしか、いなくってさ。母親は自分の愚痴ばっかで、こっちのことなんて一度も聞いてくれなかったし;
父親はいつも、自分の仕事でイライラしたことがあったら殺そうとするしかなかったしさっ;
でも、それだけじゃない。
それがあったから、何度も殺されかけたから、私は身体を自在に扱える。息を吸うように自然な動きで受け流せるし、自在に思ったように流せるように動けて、避けれるようにもなった。
誰も助けちゃくれなかった;泣き叫んでも騙されるなってばっかでさ;躾だっていい伏せられるだけでさ;
自分が悪いから、いちゃいけない存在だからそういう目に遭って普通なんだって、そうされる中でも皆笑ってたから…それが幸せな事なんだって思ってた。
自分が痛めつけられれば、殺されかけられれば、傷付けば、それが皆にとっての幸せで、喜ばしいことなんだって思ってたんだ;;」ぼろぼろ
声を詰まらせながら打ち明けられる言葉はどれもひどく重々しくて
聞いているだけで、とても辛かったことがひしひしと伝わってきた。
感情を取り戻してしまったが故か、とても哀しそうで…辛そうで…
今にも壊れてしまいそうに涙して、震えていた。
それに私は…抱き締めたい衝動に駆られた。