第20章 ピックアップ記念スペシャル
ケイト「え?悟空が目覚めた時のと同じ感じ?」
クレハ「一瞬それだと感じてしまいました」
ケイト「そっか…
というか、ゲーム内で死亡すると
約10秒後に現実側で装着しているナーヴギアから高出力のマイクロウェーブが放出されて脳細胞を焼き切るってのが原理だったよね?」
クレハ「ええ。確かナーヴギアに内蔵されているバッテリーで可能だと後になって知りました」
ケイト「っていうか本当に怖かったなあ;
生命の碑には死因まで記されてるんだからさあ」
クレハ「『プレイヤーによる殺害』と書かれていましたね」じいいい
ケイト「う、うん。
ほら、自分で自分を殺したって感じに偽装してるわけだし?;」そっぽ向く
クレハ「情状酌量の余地はあれど、赦す気は毛頭としてありませんからね?」ぎろ
ケイト「本当にすみません;」土下座
クレハ「謝って済む問題ではありません」腕組&睨
キリト「まあまあ^^;」
アスナ「生きててよかったじゃないですか^^;」
クレハ「そうやって甘い顔をしていてもダメです。
睨みを利かせていなければ」ゴゴゴゴゴ
ケイト「ずうううん)…ごめんっ;」ぐすん
クレハ「泣きそうな顔をしてもダメです」
ケイト「やり返せないの知ってるくせにいい;」
クレハ「知ってますとも。
それでも、私にとっては…「それ以上に大切なもの」なんです。
泣かせたくて言ってるわけではない事ぐらい、あなたは解っているでしょう?」
ケイト「…うん。嫌いでやってるわけじゃないってことも」
クレハ「なら、前を向いて下さい。
過去のPTSDで死にたくなっても、止めようとする人ならここに居ます。どんな愚痴でも私は受け止めます。
一人で抱え込んで、感情を殺して、心を殺して、己までも殺して…
それが幸せなことなのだと、当たり前のことだと言って笑っていた。
そんなあなたに、私は戻って欲しくはない。
自分を取り戻せたと言ってくれた、あの時間(615ページ参照)を無くさないで欲しい。
これは単なる私のエゴかもしれません。
感情が蘇れば、余計に辛い思いをするでしょう。
それでも…あの幸せそうに笑う笑顔が、純粋なものであって欲しい。
そう、願ってしまうのです」
食堂に帰ってから、縄の千切り方を実践してもらった後
俯きながら言うと、ケイトは涙を滲ませて目を細めた。