第19章 正体
人の心には悪魔が棲むとも言いますが、今ケイトはそれと必死に戦っているようです。
新装備の力を教える為に一度51層ボスへ攻撃してみた結果…
「スキルなし」のただの攻撃でも、目に映らず残像さえも残さないほどの圧倒的なスピードで
その『たったの一撃』で、気付けば終わっていたとのことでした。
要するに、『通常攻撃の一発だけ』で51層フロアボスのHPバーが全て吹っ飛んでしまったとのことです。
光を使っていた状態で時間感覚も伸ばしていたから、私にとっては数分のずれがありますが…
それでも間髪入れずに頑張った結果とも言えるでしょう。
クレハ「所で…先程から何と戦っているのですか?」
ケイト「だから…クレハの防御おおお;;」
クレハ「防具ですね」淡々
ケイト「なんかね…同じなんだよ;
素材、私の時と違うのに何で同じステータス!?;
しかも強化済み状態になっちゃってるし!;」
クレハ「強化済みの状態で合成をしたからでしょう。
双短剣を作り出した時に変化した《鍛冶製作神(97ページ参照)》で、失敗する確率は0になったのですから。
当然の結果です」
ケイト「う~ん。どっちにしろ値は変わらないらしいけれども;」
クレハ「なんにせよ、後はレベル差だけです。
光でガンガン!稼ぎますからね!」ごぉっ!!!
ケイト「おお…いつになく燃えてるね、クレハ;」
クレハ「ところで一つだけ質問させて下さい」
ケイト「ん?どしたの?」
クレハ「どこかエロやらしい眼を向けられた気がしたのですが?」じろっ
ケイト「ぎくっ!!)…えっと…;
クレハの汗って、何味かなあ?って…;」たらたら&もじもじ
クレハ「………(無反応)
今後距離を取ります」さっ&すたすた
ケイト「冗談だって!冗談だから待ってよクレハあああ!!;」だっ!!
手を伸ばして必死に追いかけながら謝り続けるケイトに
私も…似たような疑念を抱いたことがあるなどとは言えず
クレハ「知りません。
(言えるわけがないでしょう//」真っ赤
ケイト「ごめんってばああ!;
(真っ赤になるほど怒ってるううう;」半泣
最後まで白を貫き通すことに決めました。
この疑念は、墓場まで持って行きましょう…//(溜息)
(はっ!)だからあの時、『ルー』と言ったのですね!←今気付いた人&前ページ参照