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白い流星【ソードアート・オンライン】

第19章 正体





ヒースクリフ「!!…何のことかね?」

平静を振るう彼に、私は再び笑いかけました。


クレハ「簡単なことです。

あなたは一つ、ミスを犯しました。


私が伝言をするよう言ったのは

聖竜騎士団のディアベル、風林火山のクライン、白の鳳凰の副団長であるグレイク…

そして、血盟騎士団の団長――ではなく、副団長のゴトフリーさんです」

ヒースクリフ「!」


クレハ「こんな夜更け、1時過ぎにわざわざ叩き起こすのも無粋ということから
ある程度の無礼が赦されるような相手を選んで言伝をと頼みました。

案の定、それはちゃんと機能したようです(黒にやり)


ですが、たまたま起きていて伝言を聞いたという可能性もある。
あなたのことだから、きっと言い訳も立つでしょう。

それよりも…致命的なミスは、このアイテムです」


そう、先程渡されたアイテムを見せつけるように言いました。



クレハ「この状況を打開する為のアイテムなど、そう簡単にはない。
少なくとも、すぐに用意するなどできない。

それが私達の総意でした。情報屋のアルゴを持ってしても、初めての事案なのでね」

ヒースクリフ「それがどう繋がって、私がゲームマスターだと?」

含みのある物言いで言うと、そう両手を挙げながら肩をすくめた。


クレハ「《鑑定(かんてい)》…

ここ、SAOにあるスキルですがご存知ですよね?」

ヒースクリフ「?ああ…!!」はっ


クレハ「そう…そのスキルは、武器や防具の情報を得ることができる。
このスキルを使用することで、製作品なのかNPC販売されているものなのか等の情報を得られます。

このスキルを取得していない場合、鑑定コマンドを使用しても失敗表示となるのですが…
ケイトの手によって、アイテムでも見れることが最近になって分かったんです。


《鑑定》とは本来、武器や防具に使われるもの。
ですがアイテムに使えば、そのアイテムがNPC販売されたものか、誰かが作ったものか、何というクエストで得た品か、何というモンスターのドロップアイテムか等まで解ります…

私の《鑑定》のスキルポイントは1000。
既にカンスト済みで全て見れるはずでありながらも、この『アンノウン』との表示…


もう、言い逃れは出来ませんよ?」



その言葉は真っ直ぐ響き、彼の動揺を招き、額から汗を流させた。


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