第18章 アインクラッド国?
クレハ「…人は、分け合って生きていくものです。
それで『もたらされるもの』がいいものであれ、悪いものであれ、共有して生きていくもの。
たとえ何であれ、『関わり』というものは消えません。生きている限りは…
一人で抱え込んではいけません。
あなたはもう少し人へ頼りなさい。
ただでさえ育った環境があれだったのですから」微笑
『甘えたとして、それをとやかく責める人はここにはいませんよ?^^』
そう続けて言うと、ケイトは少し嬉しそうに口元を緩めて…
目を伏せた。
水滴が夕日色に反射して落ちたのが見えましたが、私は見ていないふりをしました。
ケイト「…うん」微笑
目を伏せたまま、小さな返事が聞こえる中…
クレハ「父から虐げられて成長し、その環境によって普通の人とは違う変化が顕著になり、それが要因となって苛めへと発展した。
結果として、内にも外にも気が休まらず、誰にも頼れない。
戯言と受け取られていたと聞きましたし、あまつさえ嘘つき呼ばわりされたと。
信じてもらえない。助けてもらえない。頼れない。自分で耐えるしかない。
それが…あのような事象(405ページ参照)へと繋がったのでしょうね)
たとえ大丈夫だと思ったとしても、無理はしないで下さいね?」
重々言っておくと
『わかってる。ありがとう』と震えた声で返ってきた。
『嘘に決まってるじゃん』と周囲から言われ、その言葉がいつまでも脳裏に染み付き
現在も脳裏によぎることが多く、ひどく自分を苛み続けていた。
『子供だから信じてもらえない。大人になっても信じてもらえない。
なら…生きたいと望んでどうするの?
何で生きることを望まないといけないの?
そこだけはどうあっても解らないよ』
当時の出来事と心境(345ページ参照)を説明された時、そう言っていた。
それから程なくして…
あの時(405ページ)に暴走して、『生きたい』と望んでくれた(411ページ参照)。
クレハ「ケイト…これからも、生きたいですか?」
ケイト「ごしごし)…うん!^^(頷)
一緒にね!」
眩しそうに潤んだ目を細めて笑う彼女に、私も笑い返した。
その時、落ちた雫の反射した光と夕日が私達を温かく包んでくれたように感じました。
まるで、今日という日を祝福してくれた気がして…