第18章 アインクラッド国?
幼い頃…
信じられる人なんて、家族以外いないと思っていた。
それが……
こんなに変わるなんて、当時は思いも、想像さえもできなかった。
小さい頃に抱いた暗闇は、とても深かった。
話し合おうともせずに勝手に決めつけ、あらぬ噂を流し
助けてくれないくせ、人には多くを求めてくる。
そして外見や態度、価値観の相違から、仲間外れにしては陰湿ないじめを行うばかり。
束になってかかれば何をやっても悪くない、怖くない、正しいと思う同級生達
その態度を改めず、謝ろうともしない日本人に…失望した。
そしていつしか、『日本人』そのものに絶望していた。
母のような存在などいないのだと、いつしか決めつけていた。
だから、小さい頃から一人でいた。信じられなかった。
幼い頃から変わらないそれに、私は自ら距離を取っていた。
そんな時、ケイトがそれを切り裂いて駆けつけてくれた。
いないものだと、思っていた。
『二度とクレハの悪口言うな!!』(499ページ参照)
『あいつの気持ち考えろ!!!!』(503ページ参照)
そのケイトの叫び声を聞いて、涙が零れ落ちた光景がよぎる。
仲間外れにされることを恐れず、厭わず、真っ向から叫んでくれた。
人の為なら嫌われてもいいとさえ言ってくれた。
何度でも笑いかけてくれた。
『そんな人など誰もいない、少なくとも周囲には』
幼少時、一人で立ちすくむ光景が浮かぶ。
『いないものだと…思って、いたのにっ』
気付いたら…
白の鳳凰の仲間に、優しく笑いかけられる光景がよぎる。
ケイト『行こう、クレハ!^^』
クレハ『ええ!^^//』
あなたが連れ出してくれた。
私の引いた線なんて、取った距離なんて物ともせずに飛び越えて
何度でも共に居てくれた。寄り添ってくれた。愛してくれた…
クレハ「賑やかですね…本当に^^;」
ケイト「んー!どうしても嫌か。
ならば」←キリト達と話している
クレハ「本当に…ありがとう。ケイト。
言葉にできないぐらい、
一生の残りの時間全てを二人きりで過ごしたいぐらい、愛しています」微笑&涙
目を伏せながら呟く中、その話し声は止むことが無かった。
披露宴の進行に関わらず続くやり取りはとても賑やかで…どこか温かかった。