第18章 アインクラッド国?
ケイト「私ね…本当は、クレハを誰にもあげたくない;;(涙震)
ずっと、隣に居て欲しい。それぐらい、クレハのことが…大好きで、大事で、仕方ないんですっ
『家族しかいなかった』『世界観が拡がった』
そうクレハは言ってくれたけれど…
逆なんです。私も教わったんです。
『信じていいんだってこと』『それで拒絶なんてしないんだってこと』を……
初めてだった。嬉しかった。
他の人にもね、言われたんですよ同じこと。拒絶しないって大丈夫だって。
でもそう言われても、やっぱりどこか気を使ってた。
今…こうして全力でぶつかれたのは、その境遇を、想いを理解してくれる人が、『クレハ』がいたからで。
どこまでも真っ直ぐで、思ったことを素直に言ってくれる人だったから…嫌なら嫌って言ってくれる人だったからっ。
ダメなことはダメって、どこがダメなのかってとこまでちゃんと伝えてくれる人だったからっ;;
私は…殺されたり傷付けられるのが喜ばしいことだって、自分に言い聞かせていた暗示から解き放たれた。
人の為なら私は死んだっていいって、それしか思えなかった。
それが逆に心配させてたなんて、わからなかった。
掛け替えのない、大事な…大事な…言葉にできないぐらい、失いたくない存在なんですっ;;」
ぼろぼろと両目から滝のように止めどなく涙を零す中
それでも、声は止むことはなかった。
必死に紡ごうとする言葉を聞き逃すまいと、周囲は静寂に包まれるばかりでした。
ケイト「だからね…本当は、この結婚反対したい;
クレハを、他の人になんてあげたくない!;
でも…グレイクも、同じ境遇だったから。
同じ思いをしてきた経験者だから、理解者だから…
たとえ嫌なことをされたって、人の気持ちを考えて寄り添うことができる、そんな人だから。
一度絶望しかけたけれど、ちゃんと今生きているからっ;
だからね…出会った時から、副団長に選んでてねっ;;(しゃっくり)
だから…
涙を飲んで…グレハを…頼みまずっ;;;」
そう鼻声で涙と共に震えながら、グレイクを見つめました。
『涙を飲めてないぞ』なんて、無粋な発言はなかった。
周囲の人達もまた、泣いていたから…
涙なしには、聞けない言葉ばかりだったから……