第18章 アインクラッド国?
覆い被さるように深く抱き締め合い、互いを求める中
涙が止めどなく零れ落ちていき、服を濡らしました。
ですが…それさえも、どこか心地よく感じていました。
あの時(302ページ参照)…
ケイト『ずっと……そういう人が、欲しかったんだ(涙)
夢だったんだ…そんな人が、いてくれることがっ……』
その言葉が語っていた。
それまでの残酷さを(349,350ページ参照)……
些細な夢さえも抱けない悪環境の中で抱いた、当時からすれば『果てしなく大きな夢』。
それが叶ったあの時、ようやく『自分』という道にケイトは辿り着けた。
自分の為に全力を使ってもいいのだと知り、怒ってもいいのだと身に付いてきた。
何より…ちゃんと、自分という存在と向き合うことができるようになった。
客観視できるようになったことが、とても嬉しかった。
いつも人を護れるのならば自分を投げ出しがちで、いつ死んでしまうのだろうかと怖かった。
それが…自分を大事に出来るようになった。
相手が嫌な思いをするというだけでなく、自分が可愛そうだという点にも目を向けれるようになった。
あの時(356ページ参照)から、信じて全力を…
大丈夫だと信じて、全力で『自分という存在』をぶつけられるようになった。
あの当時に比べれば、嫌な思いをさせられてそれが喜ばしいことだと感じていた当時からすれば…
本当に、よかったと思う。
ねえ、ケイト…
私は……
クレハ「うああああああああああああああああああああああああああああっ;;
あああああああああああああああああああああああ;;;」
その時、感極まって慟哭が響き渡った。
あなたを救えて、愛を与えられて、本当に…
本当に……今という時に辿り着けて、嬉しくてたまらない。
あんなに忌まわしく感じていた日本人(324ページ参照)…
その日本人に産まれたからあなたに会えた、耐えてきた、頑張ってきた、
そしてようやく、ここまで来れたっ;
その軌跡が…その全てが……本当に愛しく、誇らしい。
そう思えるまでに、あなたは変えてくれた。
願いが叶うのなら…私は、あなたと一生共に!!(ぎゅっ)
そう、言葉にできないほどの深い想いを噛み締めるように
ケイトという温もりに、私は必死に縋りついた。