第17章 不測の事態
~おまけ~
・ケイトに再会するまで、Ver.クレハ
(クレハは自室にこもり、ずっと徹夜のつもりで祈り続けていた)
暗い部屋
自室で祈っているが、いつの間に寝てしまったのか…
気付けば朝の6時半になっていた。
その時…私は、本来ならケイトがすぐ隣にいるであろう場所を見た。
でも…そこには、誰もいなかった。
わかっていた…いないことぐらい。
でも、見ずにはいられなかった。
その視線を向けた先には、ケイトと一緒に撮った写真が飾られていた。
クレハ「っ…」じわっ
それに息を飲んだ…
振り子時計の秒数を刻む音だけが響いていた部屋に、嗚咽が響く。
クレハ「本当は…
離したくないことぐらい、わかっていたのにっ!」
ケイトの屈託のない笑みが、いつものように左手を差し出してくる光景が
脳裏に浮かび、自然と込み上げてくる涙を止められず、溢した。
クレハ「決してッ…離さないと言ったのに!;」
そう震えと共に、涙が込み上げてくるばかりだった。
そんな中、ある予測が頭をよぎった。
キリトが言うに
『追跡を使った所、ケイトは50層の入り口で反応は途切れていて、それ以外に濃い足跡はなかった』とのこと。
つまり…51層転移門に繋がる場所へ来る?
そう思い至り、私はただただ必死に走った。
転移門へ向けて……
それからすぐ51層の転移門へ、11層の転移門から転移した。
その時には辺り一帯に朝霧が立ち込めていて、視界はそんなによろしくはなかった。
そして今まさに、朝日が昇ろうとしている所だった。
クレハ「ケイト!!ケイト!」
自然と息が荒れた。
心臓が乱れる感覚がした。
それでも、叫びを止められなかった。
逢いたかったから。
ただただ、逢いたかった。
一番に、強く、本当に…逢いたくて、仕方がなかった。
離さないという約束を果たす為に…
いえ、互いの望みを果たす為に!!