• テキストサイズ

白い流星【ソードアート・オンライン】

第17章 不測の事態





双刃は全体56cm、刃渡42cm。

今私が使っている双短剣である程度間合いは拡がる。


西洋では60cm程度未満の場合に「ナイフ」や「ダガー」と呼称。

すなわち、短剣と判断するに値する。


そして一対のそれだからこそ、双短剣と呼ばれたのだろう。

左右同時に装備しなければいけない。片手が空かない。

だが、投げれば空く。
そして名を叫べば自分の元へと戻ってくる、もう一本をちゃんともう片方の手で持っている限りは。

ただ、あまりに固い場合は抜けずにこっちが引き寄せられる。

強く念じるだけでもそれは可能だが、そこはあえて名を叫ぶようにしている。
もし誰かと戦った時、それで読まれたらひとたまりもないから。



恐れることはない。

よくよく観察してみると、体術のお爺さんよりも遅い。


神速格闘術を使えば、軽々と避けられる。

あまりの高威力に気圧されていた。恐怖に飲まれて、動きが鈍っていた。

それらも相まって、余計に押しつぶされかけていた。



でも…そんなの、大きな問題ではなかった。

当たりさえしなければ、何の問題もなかったんだ。



クレハのお陰で、思い出した。

信じて、全力を出していいのだということ。


一緒に、生きたいのだということ。


恐怖に飲まれて、頭からすっぽ抜けていた。忘れてしまっていた。

光速の動きを実現する神速格闘術であれば、戦える!



《神速格闘術》とは、光速を超える体術スキル。武器スキルとも併用可能。

要するに、跳躍と同じ扱いで同時併用が可能だ。


そしてつい最近、修業で編み出した。

跳躍と神速格闘術を併用した、超高等回避技術を。

三つを同時に併用して大ダメージを与える、複合奥義突進剣技を…。



スキルキャンセルしないよう、風月流の動きもごく自然に取り入れたことで

その威力はとてつもなく上がった。


でも今は相手の動きを全て把握してからにしたい。

確実性を期さなければ、強烈なカウンターを食らいかねない。
もしもそれを浴びれば、即死になるだろうから。


ただの攻撃でさえ死に掛けたんだ。

あそこで咄嗟に受け身を取らなければ確実に死んでいた。


もう大丈夫。頭は落ち着いている。

集中しろ。そして見切れ!
相手の動きを点としてでなく、全体で、観の目でとらえろ!!


/ 1616ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp