第17章 不測の事態
クレハ「だから…そんなに怖がることはありません(なでなで)
信じているのでしょう?」微笑
ケイト「うん!」ひっく
クレハ「なら、怖かったと言って抱き締めなさい。
気が済むまで泣いて、それまで付き合いますから……」ぎゅう
ケイト「あり…がとっ!」ぎゅう
なでなで
そっと背を撫でると、涙声が静かに響いた。
ケイト「怖、かったんだ…自分のせいで人が死ぬのが;
大切な人を…失いたくない人を失うのが!」
クレハ「ええ、それは誰もが同じ。私も、その痛みを知っています」
腕の中で震える彼女に、私はそう言って何度も何度も撫でました。
そして次第に…落ち着きを取り戻しつつありました。
クレハ「あなたとなら、どんな結末に陥ったとしてもそれを受け入れる。
そこに後悔などはない。あの日々に、想いに、悔いなどはありません。
ない方がよかったなど、決して思わない。自分一人で決めつけないで、信じて…」
ケイト「……うん!…ごめんね」ぐすっ
クレハ「構いません。もし逆だとして、同じことをしたでしょうから……」
そう微笑みかける中、ケイトはそっかと言葉をこぼしてから笑った。
少しだけ嬉しそうに、荒れる心と向き合いながら……
ケイト「ねえ…わかった気がするよ。
今度こそ、本当にさ」
クレハ「?何がですか?」
ケイト「誰かが、誰かの助けになって。
でもそれは、全員が全員じゃなくって…
それでも…私はクレハに会えたから救われた。
魂の位が違って、色々と考え方が違ってて…
でも、だからこそ…救われることもあるんだよね^^
私さ…よかったよ。
ここで生まれて、ひどい目に遭い続けて、そのお陰で会えた。
そのお陰で、今…本当に、嬉しいから^^//;;
ありがとう…紅葉;;
本当に…数え切れないぐらい、ありがとお;;;」
ひしぃっ!
ぎゅううっ!!
そう彼女は、鼻水を必死にすすりながら私を抱き締めた。
クレハ「その台詞…そのまま返します^^」涙
ぎゅう
そう言いながら、私もまた強く抱き締め返した。
いつしか互いが互いにとって助けとなっていた。
出会ったそれもきっと、偶然ではなく大きな何かで…
そのお陰で辿り着けた『今』だから、それがどんな過去であっても……
そういった想いまで伝わってきた。