第17章 不測の事態
ケイトへと振り上げ、叩いた右手を下ろしながら
強く拳を握り締めた。
失いたくない思いを込めながら、叩いた。
死んだ私の母とは違って、今生きているのに!
過去の傷に引きずられて、ただただ自己を周囲からされてきたのと同じように罵り、死を望む彼女の怒りも共に。
その真の意図が、通じることを願いながら…
ケイト「………」唖然
クレハ「言いたいだけ言えば、すっきりしましたか?」
はあああ、と深く息を吐きながら尋ねた。
いつもとは違って、冷たい声で。
かく言う私も、心が乱れていた。
再び死のうとされることが、非常に怖かったから。
ケイト「…」
クレハ「ケイト…私が怒っているわけが解りますか?」
ケイト「…死んだ方が、よかったから?」
クレハ「全然違います。その論点から違います!」
ケイト「うっ;」
クレハ「いいですか?あなたはまだ、生きているんです。
そして、あなたに救われた人が目の前にいるんです。
なのに何で死のうとしたのですか?」
ケイト「だって…私が最初に関わらなかったら、狙われること自体」
クレハ「それが異なことだと言っているんです!!!」
ケイト「ビクッ!)!!;」
驚きのあまり、真っ青になって震えるケイトに、私は言葉を続けた。
クレハ「あなたは、まだ生きているのに!
死んだ私の母と違って、今生きているのに!!
何で死を望むのですか!!?
過去の傷に引きずられて、ただただ自己を周囲からされてきたのと同じように罵り、否定して!
あまつさえ死を望んで!!
一体何を考えているんですか!!?
あなたは…自分の命が大事だとは思わないんですか!?
言いましたよね?約束しましたよね!!?
一生、貫くと!!
どんなに辛い目に遭ってもいいと!
それでも一緒に生きたいと望んでくれたのは、嘘だったのですか!!!?;」涙震え
不意に、涙が零れ落ちていった。
言っていて、とても辛かった。
クレハ「死んでしまったら…
もぅっ…二度と、会えないんですよ?
それで、あなたはいいんですか!?;;
私は…
私は!
あなたと生きていたいから!!!一緒に居たいから傍に居るのにっ!!!!」
声を振り絞りながら、叫ぶ中
向かい側でもまた、涙が落ちる音が静かな部屋に響いた。
私の涙の音と共に…