第16章 時期外れのイベント
でもそんな悪環境でなければ、きっと身に付かなかっただろうと
複雑な胸中を明かしてくれた。
しかし、だからこそ…
誰よりも圧倒的な、
集中力、時間分解能、光速思考、反射以上の動作速度、並行処理、
相手の感情の変化に対する感受性、僅かな変化に対する感知精度、
全身に接する空気を通しての次の攻撃に対する感知範囲、気配察知、
悪条件に相対した際の冷静さ、分析能力等々が、自然と身に付いたのだとも言える。
まあ、それを俺っちはまとめて書いて出版したわけなのだが…
そうして今…
光速とも言える神速格闘術と
それを軽く、ダメージを負わない適確なタイミングであしらえる風月流。
それらを組み合わせた至高とも言える武術を、ケイトは編み出した。
で、ボス戦に関しても現在進行形で自在に立ち回ってくれている。
それが、まさかあんなことになるなんて…
誰も、思いさえもしなかった……
(次章に続く)