第16章 時期外れのイベント
警備課の仕事はどうやら6時間交代制の模様。
フォロー課は部署によりけりで傾向が違ってくるらしい。
レッドオレンジ対策課は常に再発を防ぐための議論を繰り広げ、市民と意見を交わしている。
攻略課は激しく修業を続け、日夜奮闘し続けている。
今日は併合ギルドの人達と共に修業をしているらしい。
キリトとアスナもそっちに行ってるようだな。
ケイト&クレハ『すーすー』
無防備に仰向けになって寝ているケイトに対し
その伸ばされた右腕の上にクレハは頭を乗せ、抱き着きながら寝ていた。
アルゴ「ウ~ン;
…こりゃあ、確かに引っ付きそうで怖いよなア;」
双眼鏡で覗きながら、俺は一人呟いた。
いや、一人じゃないか;
誰かがいる方向を見つめると、ガサッという音と共に撮影結晶を手に男が姿を現した。
俺っちの前から来ていて、ずっと気配を殺していた彼の名は…
「俺はリョウ!クレハとケイトの追っかけで、写真を撮って稼いでいるのさ!!
現財産は、100万コル!!」キラーン
らしい…;
他人の振りしよう;(さっ)
真っ黒なサングラスをかけた戦場カメラマンのような気配をした不審者。
望遠レンズでクレハとケイトの写真を撮り続けていたらしい。
アルゴ(警備課に捕まればいいのにナ;)溜息
そう思ったが、既に何百と捕まっているらしく
悪意のあるそれではなく、ちゃんと状況に応じて目を逸らすこともできる為(着替えやアクシデント時)
放置という手段を取られることになったそうだ…;
ちなみに、あの当時に言っていた
『キレて真っ黒な表情で全力で追いかけ回す、鬼気迫ったケイトとクレハ』の写真を撮ったのは、他でもない彼である;(460ページ参照)
そして20分ほど過ぎた頃…
12時10分ぐらいにクレハが起きてからケイトを起こし
昼御飯を食べる為に、二人はそろって町へと出ていった……