第15章 強さ
どれだけ怖くとも、前へ進もうとする意志
大事なものから、目を逸らすまいとする心
愛する者を、そうでない者までも必死に護ろうとする志
ここに居る者達に、楽しんで心から笑って欲しいという想い
彼女の持つそれらは、人として生きる上で最大の強さを持つ。
元々、元来の彼女は本当に強かった。
それでも拒絶され続けていく内に
いつしかそれを信じる心を忘れ、心を殺すように生きてきた。
その結果、あのようになってしまった(405ページ以降参照)。
自身で自身を傷付けて、周囲も自身を傷付けてきて…
それが普通となってしまったけれど…
その元来の自分というものを取り戻せたことが、とても誇らしかった。
私のお陰で取り戻せたと、彼女が言ってくれたことも
大切な存在だと、掛け替えのない者だと言ってくれたことも……
クレハ「ケイト…」
ケイト「ん?」
ケイトの左手を、自身の右手で握り締める中
私は思いを言葉へと連ねた。
クレハ「一ギルドのトップとしてでなくても、あなたは堂々としていい。
そのあなたのお陰で、私は前を向けた。
だからこそ…心から、毎日を共に笑えているのですから^^」
ケイト「!(目を見開く)
…うん^^」頷&涙目←感涙の極み
クレハ「ケイト…心から、お慕いしています//」微笑
チュッ
ケイト「!!//////」ぼんっ
クレハ「愛しています^^//」
ケイト「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!/////////////」
びゅううううううううううううううううううううううう
クレハ「ふふっ^^//」口元押さえ
唇を奪った後、真っ赤になって走り回るケイトに
私は笑った。
こんなに楽しい日々が、とても満ち足りた日々が…
存在することさえも、私は知らなかった。
誰かと共に心から笑い合える日が来ることも、想像だにしなかった。
それらがこんなにも愛おしいなんて、死んで帰ろうとしたあの時には気付かなかった。
この未来が、彼女達との未来が…
その先がたとえどんなものであっても、不安に駆られたとしても笑っていられる。
その愛しさが、どこか心強く
それがあるからこそ、人は生きていけるのだとわかった。