第15章 強さ
ケイト「ごめん…怖い思いさせて、心に傷を刻み込むような真似して……
ただ、知って欲しかったんだ。
そういう人間もいるんだってこと。現実の方がよっぽど恐ろしいんだってこと。今でも泣き伏せってる人間がいるんだってこと。
それから…やっと立ち直った人も、楽しんでる人達の中にはいるんだってこと。
それでも…支えるしかないんだ。それしか、自分達には出来ないから…
だから…本当、ごめんなさい」ぺこり
「……いえいえ、顔を上げて下さい。
私からしたら、ただ思ったことを口にしただけで。
あなたのように深い意図は」
ケイト「いいや!ひどい傷を負わせて、ここ通りがかるだけで傷が蘇るなんて羽目にならせたらそれこそもう!!本当に!!!;」土下座
「いえ、ですから;」あわあわ
床に頭を擦り付けながら何度も謝り続けるケイトに対し
その女性プレイヤーは何とか頭を上げさせようとしていた。
ですが、その言葉のお陰でケイトが何に怒っていたのか
何に対してキレていたのかがよく解りました。
クライン「猛省し過ぎだろ;」
キリト「世の中の厳しさ、一番身に沁みてるのはケイトだもんな;」
アスナ「怒った理由、わかった気がする;」
クレハ「結局…キレるのも人の為ですか…(溜息)
確かに、言うことも解ります。
不安そうに両手で顔を覆っていた人を見た瞬間、何かが切れた音がしましたし」
キリト「人の気持ちを考えて怒るんだな;」
クライン「で、今度はされた側の気持ちになって必死に土下座して謝りまくってると;」
アスナ「ここまで行くと…;」
クレハ「利用されそうで恐怖しかありません;」
そう話し合う中、私はケイトの傍へと歩を進めた。
ケイトに、わからせるために。